2014,07,12, Saturday
平成26年度の墓地世話人会が、今年も法然寺の庫裡で開催されました。法然寺は徳川松平家の菩提寺で、檀家と言えば松平氏だけです。そんなこともあってか、早くから墓所の貸与(永代使用権)が進んでいて、ある意味殿様の味方(家来)を増やす戦略であったのやも知れません。
その昔私の幼少の折には、春の彼岸はともかくとして秋の彼岸はまだヤブ蚊が多くて、盆頃の盛夏の夜の墓参りは苦行でした。追っても追ってもヤブ蚊が襲いかかってきます。子供の頃の法然寺は、子供にとっては肝試しとかヤブ蚊とか、楽しい思い出はほとんどありませんでした。 そんな墓所ですが、ここ20年近くは快適です。竜雲学園園児や職員の手により、水場の整備、ゴミステーション設置、照明施設や階段の整備など、なかなかの高級施設になっています。周りに無縁墓も増えていますが、荒れ放題というイメージはありません。 法然寺と言えば、最近の話題が二尊堂の火災事故です。今年1月13日午後7時すぎ、香川県高松市仏生山町の法然寺=細井孝治住職(44)=境内にある仏堂「二尊堂」から出火、木造約240平方メートルを全焼した。火は約4時間後に消し止められ、けが人や本堂などへの類焼はなかった。(四国新聞) 同寺によると創建以来約340年間、火災は一度も起きていなかったということです。不幸中の幸いというか、失火原因は電器事故のようで、その他建物への配電とかを随時調査中でありますが、消化栓が二尊堂の近くにも2基あって、隣接した檜やすぎの木は延焼しましたが、建物被害はこの程度で収まりました。 二尊堂の再建計画は、まだ手付かずと言うのが現状のようですが、先に松平家の墓所整備が始まっています。東京谷中の再開発事業で、20基の墓石の移転が求められています。それをこの法然寺の最上段に、202基ある松平家の墓群の脇に安置する工事です。 これで222基が、ここ法然寺に集まります。これで徳川松平家の墓が完全に揃ったわけではありませんが、ほぼその姿が完成したとして国の史跡に申請がされるようです。そうすれば消火栓などの整備も進むことだし、二尊堂も再建なるかも知れません。 また今年から、「法然寺墓地『お墓そうじ代行』システム」が動くようです。遠隔地などに居住する人は、墓石の手入れもままなりません。それを社会福祉法人竜雲学園が一手に引き受けるというものです。 年間1度5,000円から、年間4回の12,000円まで、高いか安いかは受け側の判断です。法然寺としても無縁墓が増えるのを良しとしていません。国土交通省も「空き家管理等基盤強化推進事業」を推進しようとしています。「空き家」の風通しから草抜きなど、たちまちの空き家管理業務が求められています。 空き家とお墓が同レベルとは言いませんが、いずれにしても所有者権利者が不在であれば、実質の管理は出来ません。それを第三者へ頼んでも、守りたいという気持ちも良く分かります。次の中古住宅に求められるビジネスかも知れません。 |