サンメッセ香川小展示場に、満席の人を集めて、香川県が主催する標題の講演会が開催されました。県では、8月を同和問題啓発強調月間と定めて、土地差別問題の解決と企業の人権意識の向上に取り組んでいます。毎年開催されて、もう何年になりますか。お付き合いをしています。
本日は、「差別問題の構造と課題」と題した金子匡良(神奈川大学法学部准教授)氏のお話しが前半の80分を、後半の80分は、「企業における人権意識」戸村智憲(日本マネージメント総合研究所理事長)氏の話でした。こんなことを言ったら怒られますが、初期の頃に比べたら、話しはだんだん面白くなっています。
まあ県の主催と言ったら「面白くない」のが当たり前、時間を潰すのに苦労します。受付で氏名を書いて箱に入れれば、それでもう来た目的は達成です。ほとんどが義理で集まる講演会でした。団体にも、参加の働きかけが強いのです。
特に土地問題の差別が発覚してからは、不動産業界への「教育」が求められています。義務参加から始まり回を重ねるごとに、内容も良くなり、聞く側の態度にも変化が見て取れるようになっています。講師が言うように常識が、徐々に動いているように思います。
というのも「差別の三重構造」という考え方から、個別的な差別事象は「法的規制」で解決するかも知れませんが、歴史的・文化的要因や、偏見や知識の欠如は「教育・啓発」がどうしても必要だと言われています。「法的規制」は高熱時の解熱剤、「教育・啓発」は体質改善の漢方薬です。
差別の多いのが大阪だと言われていますが、「大阪府興探 (興信所+探偵) 条例」は、2007年の土地差別調査事件を受けて、2011年に改正されました。事業者が、自己の営業のためには以下のような土地調査を行った場合、知事は指導助言や勧告公表を行うことが出来ることになりました。
①土地差別調査→調査対象となる土地及びその周辺の地域に同和地区があるかないかについて調査する。②部落地名総監の提供→同和地区の所在地の一覧表等の提供をする。③同和地区該当教示→特定の地域が同和地区にあることを教示することが禁止されています。
法制化も必要ですが、大和朝廷末期からあったと言われる、身分制社会においての賤民身分とされていた人々への偏見をなくすことでしょうね。私の祖母は、私が結婚する時に近所へ聞きに行きましたが、私はそのあたりは鈍感で、気になりません。常識が動いているのでしょう。
大勢が国際結婚する時代になって、身分調査なんか意味のないことではないですか。採用でも私は調査などしたことがありません。今は中国人の張さんも正規雇用をしています。外国人の正規雇用は、これはこれで大変です。がしかし人への差別は、確実に減少していると実感しています。