「神田と言えば大学は明治」という大学歌がありますが、同時に有名なのが「かんだやぶそば」です。古い佇まいの、まさにそば屋さんらしい建物でした。最初に訪れたのは今から40年前。大学教授に連れられて、昼食に来ました。混んでいましたが、それでも程なく食べられた記憶があります。
その後も上京する度に、何度か行きました。道はややこしいのです。それでもJR神田駅から、徒歩10分とは掛かりません。それが残念ながら1年半ほど前に、消失したのです。新聞報道されたぐらい、惜しまれて老舗は幕を閉じました。
再建なったとは聞いていませんでしたが、試験が終わってさて昼食はと考えたら、「そうだ藪蕎麦はどうなっているだろうか」とひらめきました。スマートフォンの地図検索で、徒歩8分と出ました。私は、電話はガラ携(ごく普通の二つ折り携帯電話)を使い、ネットにアクセスする等でスマートフォンも携帯しています。
しかし、「もしもしという通話機能」はこのスマートフォンにはありません。あくまでも重複なしの最短利用だけに限定して携帯しています。安いし、必要に応じて通電するので、電池の持ちも良いというメリットを享受しています。このGPSを利用した地図機能は、素晴らしいですね。
「100メートル先の横断歩道で右折する」とか、詳しい道案内をしてくれます。地下鉄等の乗り換えも、駅から出る出口までも教えてくれます。事前に地図が入手できますが、駅から出てまず一歩を間違えれば、とんでもないところへ行ってしまいます。知らない土地では、よくある話しです。それも急いでいる時に。
このようにして、「薮蕎麦」に辿り着きました。時間は午後の3時です。何と人の列が続いています。出てきた人は、「あら列が短くなったわね」と言うのです。土曜日ではあるが、どうなっとるの。それでも「お一人さんカウンター席」と言われて、10数人ゴボウ抜きで着席が出来ました。20分は並びました。
懐かしい亭主夫婦が、帳場にならんで座っています。ここに集められた注文書きを、独特の口調で女将が読み上げ、亭主は勘定をしています。建物は当然新しくなっています。再築までに1年半とは、随分時間がかかったようですが、味は同じでした。蕎麦好きの日下雅彦会長にも、是非お薦めしたい。
蕎麦は先に日本酒とか、かき上げとか板わさとかのつまみで調子をつけて、最後に「せいろ蕎麦」とかの流れがあります。そのためには、車はまずいですね。ここで一杯やれるのは、宿泊の時とかに限定されます。それでせいろ蕎麦2枚頂きました。税込1417円で、7円はサービスされていました。
かんだやぶそば 千代田区神田淡路町2-10 ℡03-3251-0287