平成27年5月19日(火)15時から、東京駅八重洲口前東京駅前ビルで、平成27年度総会が開催され、全国各地で定期借地借家権普及をしている県・地域の代表が集まり、総会を開催しています。北は北海道から、南は沖縄まで14協議会の30人近くが集まっています。
まず記念講演で、特定非営利活動法人中部定期借地借家権推進機構(名古屋)、齋藤孝一理事長が、定期借地権を活用した相続対策を披露していました。氏は税理士ですが、この連合会には、税理士や不動産鑑定士が中心となっている機構が多いのが特徴です。齋藤孝一氏は、法学博士で「中小企業の事業承継」を清文社から上梓されています。
なるほどこれは通常の賃貸物件の建設と同じの相続対策になるばかりでなく、「定期借地権」をそこに活用するだけで、さらなる対策になると聞いて、全国各地から集まった定借マンも目から鱗状態が暫く続きました。
このようにして、「定期借地借家権」は実務と共に進化しています。全国各地からの事例発表では、空家調査や不動産証券化、WEBを活用した「定期借地借家権」知識と実例の普及啓蒙の私案などが紹介されていました。「定期借地借家権」は、まさに現場で磨かれ進化しています。
リバースモーゲージの疑似例が、九州定期借地借家権推進機構の菅原純事務局長から報告されていました。お年寄りの持ち家に「定期借地権」を設定し、リフォームをして売却する。建物は定借期間50年の途中で万一朽ちはてたら、その段階で契約は終了するとしています。
お年寄りは毎月得られる賃料で、都市部の交通利便なところに居を構えて、その後の老後をすごすわけです。資産の組み替えですが、実生活に求められる資産の組み替えが出来る利便性の高い「定期借地権」です。
この「定期借地権」に対して、特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構からは、「定期借家権」活用の事例が発表されていました。市井で「定期借地借家権」と言えば、一つのものだと勘違いしている人が多いのですが、それは「定期借地権」と「「定期借家権」の二つからなっています。
つまり「定期借家権」の活用もあるわけですが、アパートマンション等の賃貸物件の契約において、定期借家権を利用して契約をします。居住用物件では、2年間契約としていますが、基本的にはこの2年間で、契約は終了です。これまでの普通借家権契約のような、「更新」はありません。
従って2年間で退去を求めるわけですが、以下の条件を満たす契約者には、「再契約」をプレゼントします。①賃料滞納がない②ゴミの出し方などルールを守る③夜中に騒ぐなど迷惑をかけないことを条件にして、再契約を保証して当初契約をします。
このように「定期借家権」を活用すれば、これまでの賃貸借契約のトラブルが減少する賢い方法があります。「定期借家権」も誕生から12年が経過しています。知識と知恵を交換しながら、あらたな不動産活用策を創造する全国定期借地借家権推進機構連合会です。