平成27年度 国土交通省土地・建設産業局委託事業、「地方都市の不動産ファイナンスの環境整備のための協議会(委託先・㈱日本経済研究所)」全国12団体の1つ、特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構(略称NPO香川定借・松野誠寛理事長)は、21日午前10時から高松市庁舎内で、初めての担当者会に参加した。
香川定借からは、松野誠寛理事長、松岡良幸理事、白井委秀理事、大西一正理事が参加し、高松市からは、コンパクト・エコシティー推進部福田邦宏部長、まちづくり企画課柏野良太課長らが参加し1時間余、熱心に意見を交換した。
席上、香川定借機構からコンペに応募し採択された経緯や、その根底にある自分達のまちは、自分達の組織で良くするという理念が語られ、市からも、現在の計画があらためて説明された。
NPO香川定借機構の基本スキムは、市有地である「仏生山農業試験場跡地北側エリア(約1万坪)」の一部を80年間定期借地権契約で市から借り上げ、民間が建物を建築して運用をして、テナント賃料で建築費や維持管理費を捻出し、余った金員で配当するというもの。
市職からは、既に地元コミュニティ協議会にも諮り、意見を吸い取り決定している原案で、議会の承認も得て、鋭意推し進めているところであることが強調された。
しかし、全ての決定が終わった段階ではなくて、27年度中に正式骨子をまとめて、28年度設計予算化で30年度完成を目指していると言うから、まだまだ話し合いの余地はありそうな段階である。
しかしこの「仏生山農業試験場跡地北側エリア(約1万坪)」の土地の建物は、すべて高松市が建築するものと考えている担当者の頭には、民間が建築して、それを高松市が借りてテナント料を支払うという発想は皆無だ。
NPO香川定借機構は、民間建設の建物は、門前町仏生山町の賑わいの再創が可能な商業スペースも多く取り込み、丸い商店街構想等を考えている。道の駅構想も有り、空港リムジンバスも入ってきて、帰り客の地元土産購入やうどん会館でのうどん食など、高松をより知って好きになってリピート客になってもらう、もう1つの施設群を構想している。
丸い商店街構想等では、高齢者世帯への安否確認を兼ねた宅配も予想される。NPO法人が運営すれば、自分達で稼いで自分達で再分配する善循環が成り立つ。基礎自治体に頼らない、新しい器での新しい運営で、これまでどこにも見られなかった賑わいスペース群が完成する。
地元商工会武下重美会長も、「これまでのような連担した商店街は、これからは維持できない。丸い商店街構想であれば、私も息子を呼び返し、新しい商売をやってみたい」とNPO香川定借機構の案に積極的である。
池袋の板橋区役所庁舎の成功は、大都会での話し。地方中核都市での不動産ファイナンスは、まだまだ多くの山谷を超えなければ組成できない。しかし、記念すべき第1歩が、本日記された。