2016,08,26, Friday
国民年金や厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は26日、2016年4~6月期の運用結果が、株価急落の影響を受けて5兆2342億円の赤字だったと発表している。テレビを見ていると、人ごとのように、客観的に原稿を読む担当者の髪かたちにさえ怒りを感じる。
先の3ヶ月間で、7月29日に発表した15年度通期1年間の5兆3098億円に迫る赤字を出した。このまま手をこまねいていると、赤字幅はますます増える。原因の一つは日銀の、「マイナス金利」政策にある。 これまでの低金利と違い、マイナス金利の新規国債を購入して満期まで保有すると、確実に損害が発生する。6月末の資産構成割合は、国内債券39.16%、国内株式21.06%でおよそ6割を占める。加えて外国債券12.95%、外国株式21.31%、短期資産5.51%。 また世界の為替の動向を見ても、円高基調でこれが株安へと動く。私はまだ、国内株式はよく健闘していると思っています。本来ならもっと株安のはずが、アベノミクスへの期待が今の株価を持ち上げているのかと思う。景気は気からと言うから、気分ででも高値がありがたい。 年金積立金の積極運用は、14年10月に運用資産の構成を見直して株式の割合を倍増させており、株価変動の煽りを受けやすくなっている。国債の金利がマイナスになると、株式への投資しか思い浮かばないが、市場の変化は急速で悠長なことは言っていられない。 GPIFの高橋則広理事長は26日、「年金支給に支障を与えることはない」とのコメントを発表しているが、これは「飛行機が大きく揺れても飛行には一切影響はありません」というスッチーやキャプテンの言葉と同じだ。後者はまだ許せるが、理事長談話は、なんとも腹が立つ。また改善策が見いだせないことに、不安が募る。 |