700年前、後醍醐天皇の時代第一皇女祥子は最後の伊勢の斉王となり、第二皇女罐子内親王(後の糸より姫)は瀬戸内海の海を渡り、さぬきの国(香川県)西浜で漁師乙吉と結婚をして「いただきさん」の祖となったという伝説に基づいた素人芝居でした。
素人とは言いながら、なかなかの出来でした。平成乙女の像の良き協力者である猿渡啓子さんが原作と衣装を担当し、長らくお世話になっている国方秀昭さんが恐れ多くも後醍醐天皇であらせられ、西日本放送アナの鴨居真理子さんも登場して綺麗でした。
「いただきさん」という存在は、高松の西浜漁港に水揚げされた新鮮な海の幸を、芝居によると最初は京都大原の花売り娘のように、頭の上に頂き売り歩いていたという。それが後世では、サイドカーのように自転車の横に荷物を載せるスペースを作り、そこに魚をのせて売り歩いていたのを私も記憶しています。
そのいただきさんが、多いときには300人以上いたのに今では20~30人いるかいないかにまでなっているという。今日の芝居の中にも、現役のいただきさんかと見まがう役者が登場し、台詞を忘れて会場を沸かせていました。観客席にも、いただきさんやOGが沢山来ていたようです。
会場は香川県文化会館ホールで、古いこともあり座席も狭い。しかし、観客席から登場したりふけたりして、狭い舞台を広く使っていました。見応えのある2時間を、楽しませて貰いました。