2017,05,20, Saturday
高松琴平電気鉄道は通称「コトデン」、本日は17:57仏生山駅からの上りの最後尾に乗車しました。ぎりぎり走って乗り込みましたが、さらにその後ろから3人の高校生らしい男子が乗り込んできました。もう少しでドアが閉まるその瞬間、3人の内の一人が炭酸飲料の口を開けたのです。
彼ら3人も走っていたので、炭酸飲料も慌てています。開けた瞬間威勢良く泡が吹き上がりました。慌てた男子が「アワアワ」と奇声を上げながらそれを、プラットホームに投げたのです。幸い乗客は乗り込んだ後だったもので、直接の被害はなかったのですが、泡を吹き出しながらペットボトルはホームをさまよいます。 「オイオイ」このガキはと私は思いながら、この時間にしては混んでいた車内の最後部で立って注視していました。3人組は恥ずかしさもあってか、立ち位置を前へ移します。「シャツが濡れた」とぼやく男子に、婦人がポケットティシュをさりげなく渡します。「ありがとうございます」。ほぉー礼は言えるんだ。 ありがとうございますまでは良かったのですが、彼は自分の服を拭いたティシュを、床に捨てました。貰った恐らく真っさらのティシュですから、結構な枚数があったと思いますが、3回程度に分けて拭いて、それを捨てました。そして奇声を発しながら、また最後尾にやってきました。 これを見かねた車掌が、激しく注意をします。相前後して自分の捨てたティシュを拾いに行って、あることか今度は最後尾の入り口近くに再度捨てました。 これに勤務外のたまたま移動で乗車していたコトデンの車掌さんが、注意を始めました。勤務中の車掌は勤務に帰り、一部始終を見ていた勤務外の車掌が激しくいさめます。確かに注意した車掌さんも、若い。一触即発の空気が漂います。 ここから私の出番かなと思いきや、座っていた私より少し先輩が中に割って入り、若者にティシュを拾うようにさとし、事なきを得ました。なるほど言い方だなと、私は感心しました。山登りの格好をしていました。その後当事者たちは瓦町駅で下車しましたが、私はコトデンの変革が、ここまで浸透してきたかとある種畏敬の念を抱きました。 コトデンは、2001年12月に子会社のコトデンバス(現在のことでんバス)とともに、民事再生法適用を高松地裁に申請しました。結果、琴平電鉄時代からの経営者である大西一族は退陣、代わりに香川日産(真鍋康彦社長)グループや地元の大手食品メーカー「加ト吉」(現・テーブルマーク)などの支援を受け、経営再建することになった。 やがてコトデンは、徐々に変革を始めました。また、2005年2月2日には、非接触式ICカードシステムIruCa(イルカ)をことでんバスとともに導入しました。首都圏中心に全国展開が進んでいる、「スイカカード」と同種のものです。しかし、相互利用が出来ない独自のものです。 コトデンは100年を経過したクラシック電車などを保有し活用したり、ハード面での充実も複線化新駅設置などで次々打ち立てています。しかし一番の強みは「人」です。大勢の乗客に迷惑をかけているマナーの悪い客へ、しっかりと声がけが出来る社員さんが育っている、これからもコトデンは公共交通網として、発展することでしょう。拍手喝采。 |