毎年参加者が増えている、一般社団法人香川宅建の賀詞交換会が、18日クレメントホテル高松で開催されました。今年は来賓もあわせて250人という、会場溢れんばかりの人でした。会員さんの2割が、参加するまでの規模の行事になりました。開催の時間とか、内容とか、いろいろ工夫をしながら、全県から会員を集める努力が実っているように感じます。
来賓は高松空港から直行の平井卓也衆議院議員をはじめ、磯崎仁彦参議院議員と同じく三宅伸吾参議院議員、五所野尾恭一県議会議長らの議員先生や、坂出綾宏市長ら首長、また協力業者さんなど「不動産・建設」を取り巻く業界人が駆けつけて下さいました。
アトラクションは、瀬戸フィルハーモニー交響楽団から7人の歌手と演奏者が、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ほか10曲の演奏と歌を提供してくれていました。前の席からは、「ブラボー」の声も。地元のプロ楽団です、活躍の場を提供するのも社会貢献の一つです。
私の隣は、香川県土地家屋調査士会細川俊文副会長でした。インスペクションと呼ばれる「建物目視検査」が4月から実施されます。建築士が、国土交通省が定めたガイドラインにそった検査をすることになります。検査は任意で、するしないの選択が出来ますが、相続物件の売却などでは、専門家の第三者が検査した結果に基づき価格を決定するようになれば、媒介業者のわれわれの労も報われます。
私は次の不動産取引の課題は、「土地家屋調査士による境界確認」だと思っています。不動産の売却の際には、「土地境界の明示」義務があります。これをインスペクションの導入のように、義務ではないが専門家がやる方が望ましいという傾向になれば、鬼に金棒になると思います。買う方も安心が加重されるし、売側も境界の明示が十分されておらず、引き渡したことにならないとかの心配が完全に払拭されるからです。
もちろん媒介業者のわれわれも、有難いのです。しかしここに問題があります。土地家屋調査士への報酬が、普通の既存住宅で20万円、田舎の土地家屋調査士会員が少ない愛媛県宇和島などは30万円と聞いています。一昨年私は、香川県土地家屋調査士会へ対して「標準的な案件は10万円程度で御願いできないか」との申し出をして断られた経緯があります。
決して10万円にこだわるわけではありませんが、全案件に土地家屋調査士による境界確認をすることになれば、確実に仕事が増えます。その点を考慮して、会同士のゆるやかな協定が出来ないものかと汗を流しました。建物のインスペクションは、国土交通省が法律の改正をして導入を促しています。境界の確認も、一層法制化になれば迷いがなくなります。少なくても時代の流れとしては、義務化でしょう。
同時に取り組みの中に、国道・県道・市道など公道に面する場合の手続きの煩雑さがネックにもなっています。先の10~20万円は、あくまでも所有者が民間と民間の場合です。公道に面していたら、公共に提出する書類が複雑になり、当然それが支払報酬に加算されます。
私は公共が、国民に無理を強いているように思います。境界確認では測量はありませんが、測量分筆する場合には、まずその一筆全部を量り、間違いないことを確認してそこから分筆をすることになっています。過去は、分筆する部分だけを量り、その他は残地として処理していました。
素人目にはより正確になって良いと見えるかも知れませんが、「全量測量」のためにその周辺を広く測量しなければならない、つまり正確だと言われている不動産登記法第14条地図でも、間違いが実に多いのです。「国土調査」は市町がしているにも拘わらず、間違い訂正は、民間へ押しつけです。ここも話し合いで、相互の負担軽減で合意が出来たら社会全体の利益になると思うのですが。
余談ですが、賀詞交換会の前の入会審査会。前日の確認電話で確認したにも拘わらず、勘違いをして15分ほど遅刻してしまいました。前期高齢者の私、そろそろ出始めました認知症?申し訳ありませんでした。