総会を控えて、社団法人香川県宅地建物取引業協会の理事会等が開かれて、22年度の重点施策が検討されました。組織の公益法人化は継続して進められることは勿論のこと、支部再編成の第1弾もおさまりそうです。
新規に、今の国会で慎重審議?されている、「賃借人だけのハッピー法(賃貸住宅における賃借人の居住の安定確保を図るための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案)」に対する、対策検討部会の設置等が可決されました。
私が勝手に名付けた「賃借人だけのハッピー法」は、滞納者への家賃の取立てにかかる暴力的行為、嫌がらせ的行為で、刑法では処罰出来ない「人を威迫し、又は人の私生活もしくは業務の平穏を害するような言動」を一般的に禁止する。面会、文書送付、貼り紙、電話等の手法を問わず、人を威迫する行為は禁止するものである。と書かれています。
生活に窮して、家賃を滞納したくらいで日常生活を脅かされたら、賃借人は生きていけないと言わんばかりです。さすれば払ってもらえない大家は、じっと我慢して、競売になるのを待っておれと言うことですか。
政府の弱者保護政策も、ここまで来れば呆れてものが言えません。賃貸借契約は、大家が住むところを提供し、入居者がその対価を支払うことで成立しています。滞納があれば、その被害に泣く者が「取立て」をするのはあたり前です。当然滞納期間の利息も貰うことでしょう。これを許すと、「正直者」が馬鹿を見ることになります。
この延滞利息も、金貸しと同じように最高金利が年14.6%と定められ、金貸しも部屋貸しも同じ狢(むじな)扱いです。困っている人を救済する者は、「未払い」という異常事態が発生しているから督促している、いわば契約条項を守らないから催促しているのに、催促する者(強者)が、払えない者(弱者)を「威迫」してはならないという訳です。
先の法律の名前の中にもあります、「家賃債務保証業」は「三方よし」の商いの法則に合致しています。だから日本全国で広く、この会社が使われはじめて、もう50社以上の保証会社があると思います。
建物賃貸借契約時の「連帯保証人」の代わりに、保証料を払ってその役割を担ってもらいます。昨今では、「連帯保証人」をお願いするもの、入居者は大変苦労します。われわれ不動産業者は、保証会社の「審査」が通れば、一応安心して入居をすすめることが出来ます。
ことの発端は、この保証会社の一部において、「悪質な強引な取立」をしたことから、急ぎ法案化されたものですが、この「威迫」の対象者には不動産管理業者も、「大家」も入っています。
極端に言えば、「滞納家賃をお払い下さいませ入居者様」とニコニコ顔で、伏してお願いすることになります。この法律に魂を入れるとすれば、「●ヶ月滞納したら強制退去」という条項を盛り込むべきではないでしょうか。
給食費は払わない、家賃も払わない、借りた金も返さないという考え方が蔓延したら、世の中大変なことになります。まっとうに働き、納税して国民の義務を果たしている大部分の人間が、はっきり今の政府を糾弾し権利を主張する時かも知れません。