第96回夏の甲子園大会の香川県予選大会が、12日から県営球場で始まっています。そして本日、母校高商の緒戦が、高松一高との間で始まりました。昨今は私立高校の台頭で、昔の対戦構図もくずれてきていますが、私の頭の中では高松商VS高松一は巨人阪神戦です。
既報の通り、4月1日から高商野球部監督が長尾健司監督になり、彼の初めての公式戦です。監督が替わったからすぐさまどうなるとは言い難いところですが、確かに長尾健司監督には、私も期待するところが大です。生徒がいきいきしています。守備から帰って来た選手に、控え組がハイタッチ。
加えてわれわれ紫雲会(高商OB会)が寄贈した、雨天練習場も早朝からフル稼働と聞いて大変嬉しく思っていました。長尾健司監督は就任初日に、選手に対して「監督が交代してゴメン」と謝り、高商野球部経営指針を示しています。
何のために野球をするのかにはじまり、戦略戦術と落とし込みが出来ています。その後の野球部の評判を聞くと「楽しそうにやっている」と言うのを聞いて、高校野球はする者が楽しいのが一番だと私も思っています。見る側はあくまでもその次です。
結果的には緒戦、13対3の得点で八回コールドゲームになりました。しかし試合はシーソーゲームで、まずは一回、4番末包選手のホームランで2点先取して、「これは面白くなりそうだ」とのめり込みました。ヒット数が21本で、8回ですから毎回2本以上の安打を打っています。
これくらい打ってくれると、面白いものです。われわれが贈った雨天練習場も、本当に有意義に使って練習をしてくれたのでしょうね。横山賢治校長先生に聞けば、長尾健司監督は早朝6時半から夜遅くまで、雨天練習場に顔を出していると聞いています。
偶然だと思いますが、私の大好きな4文字熟語。啐啄同時(そったく)に通じるものがあります。一生懸命努力する学生諸君、それを助けようとしている先輩OBの陰の努力。横山賢治校長をはじめ学校側も熱心に声がけしてくれました。
やむを得ない事情で募金をはじめましたが、4160万円の目標を達成した紫雲会。もちろん高商野球後援会が中心となって募金活動をされたことには間違いがありませんが、それ以外の卒業生も協力しました。これが出来たことで、香川県教育委員会に対しても、高商のむこう意気が伝わりました。
長くなりました、試合についての報告です。初回に2点を先取し、
一 二 三 四 五 六 七 八 合計 H E
高松商 2 2 0 1 2 2 0 4 13 21 1
高松一 0 0 2 1 0 0 0 0 3 7 1
ご覧の通りの結果になりました。
本当に面白い試合でした。高商がリードし、高松一が追いつく構図ですから、なかなか良い展開ですね。高商の投手は3人の継投。ランナーが出ると間違いなく送りバント。このあたりは高商の野球のセオリーですが、その間に単打を打ちます。
投手は3人の継投パターン。チャンスの拡大は送りバント。分かりやすい戦術です。このまま高商が香川の頂点を極めると思ってはいませんが、高商野球は、間違いなく変わってきました。
私はここ10年(20年間かも知れない)の高商野球を見ていて、今日ぐらい面白い試合はなかったですね。4番末包選手は4安打、昔の大北敏博氏を彷彿させる三塁手でした。一塁暴投もありましたが、彼の活躍が命運を分けるように思いました。彼には星がついています。