2014,07,20, Sunday
高松国税局が1日公表した2014年分の四国4県の路線価(標準宅地1平方メートル当たり)は、対前年の平均変動率が3.3%のマイナスで、22年連続で下落したことになります。平成4年から、バブル経済の崩壊からこっち、ずっと下落を続けています。
県別の下落率は、高知が前年より2.6ポイント縮小して3.6%となり、11年分から続いていた全国ワーストから脱却しました。徳島は3.3%、香川は3.9%、愛媛は2.4%で、4県とも前年より縮小しました。もう底かと思うのですが、人口の減少が続く地方にあっては、残念ながら回復のパワーが見られないのです。 国税局も「景気回復により一部住宅地などで需要が増加しているが、人口減少や少子高齢化の影響で全体としての土地需要は依然として弱い」としている。国税局も、現状を正確に認識するようになってきています。ある意味、それだけ深く考える時間が経過しているとも言えるでしょう。 四国管内の最高路線価は、12年連続で松山市湊町5丁目の伊予鉄松山市駅前通りの59万円(前年比1.7%減)でした。これは㎡換算だから、分かりやすく坪あたりの表示にすれば、1坪あたり195万円となります。 徳島は徳島市一番町3丁目の徳島駅前広場通りで31万円(3.1%減)(ざっと100万円/坪)、香川は高松市丸亀町の高松丸亀町商店街で前年と同じ31万円、高知は高知市本町1丁目の電車通りで21万円(2.3%減)(70万円/坪)が、それぞれ県内最高地点でした。 このような状況の中で、この3月に発表された地価公示によると、2014年の地価変動率は全国平均では依然として下落が続いていますが、三大都市圏では住宅地0.5%、商業地1.6%と上昇に転じています。特に東京三区(千代田区・中央区・港区)は、住宅地・商業地とも大きな上昇になっています。 先の「路線価」とかここで言う「地価公示」は、いずれも公的な鑑定地価とお考え下さい。調査発表機関(内閣府・都道府県・国税庁)とその時期は異なりますが、実質の調査はその土地に在住する不動産鑑定士が行っています。従って、すべてに関連性があると考えて良いと思います。ただしタイムラグがあることを、ご承知下さい。 と言うのは今発表されている地価は、乱暴な言い方ですが約1年前の時点価格です。連続という場合はそう問題にはなりませんが、反転した、つまり値上がりをはじめたと言うのなら、その芽は1年前にあるということになります。すいません門外漢が、荒っぽい説明になっています。 ちなみにこの3月の発表ですが、日本一の東京銀座の山野楽器銀座本店前の価格は、9,785万円/坪です。一坪が1億円に届きそうな勢いです。変動率は9.6%です。また大阪・梅田グランフロント大阪Aブロック前では3,000万円/坪、名古屋近鉄ビル前では2,500万円/坪でした。 その一方で私が感心を持つのは、2020年東京オリンピック選手村と周辺の中古マンションの動きです。先の中央区の住宅地上昇が目立っています。これは、オリンピックの選手村が建設される晴海を中心とした臨海部のマンション価格が影響しています。先に小欄にも登場した、「マッカーサー道路」の延長線上に位置しています。 2013年11月以降完成が見込まれている晴海・かちどき地区の大型高層マンション計画の数字は、約9,000戸のマンション供給が予定されています。さらにオリンピック選手村17,000人の収容人数が分の施設が分譲マンションとして転用されると、平均計算で6,000戸の供給が加わることになります。 だからこの地区の中古マンションが売れ残るとは、流石にやぶにらみの私でも言いません。しかし一見便利そうに見えるこの地域ですが、鉄道駅は、都営大江戸線の勝ちどき駅だけです。オリンピック開催中はBRT(bus rapid transit:バス高速運輸システム)も使えますが、その後恒久的とはならないようです。 このエリアは、銀座や都心に近接していて非常に利便性の高いところです。しかし臨海エリアですから、地震や津波に一抹の心配もつきまといます。地価の動きに一喜一憂することなく、ゲリラ雷雨の心配もない田舎に住んでいる人間には全くの他人事ですが、すべてが上手く行くと良いですね。 マッカーサー道路についての既報はここをクリック |
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