11.23は、「いい・不動産の日」と語呂合わせをして、徳島県宅建協会が主催して「空き家・空土地の有効活用のための無料相談会」を県下6会場で開催しています。これは全国的にみても、初めての画期的な試みだと思います。
この相談会は3つの「新」を生み出しました。1番目は日本初の試みであること。2番目は、県下全域の公共団体を巻き込んで開催されたこと。3番目は税理士や建築設計士などの協力を得たセミナーを開催したことです。いずれの1つをとっても、英断だと感心します。
いずれの角度から見ても、1つの県の宅建協会が、独自に開催して大成功した日本初の相談会だと思いました。香川宅建協会からも、日下雅彦会長の指示で、総務委員長・松原典士さんと私が見学に行きました。もしかしたら、来年は香川宅建協会でもやっているかも知れません。
徳島県下においても、空き家が増えています。全国ワーストで、山梨県、愛媛県、高知県、徳島県(同率香川県)と続き、全国4位です。全国に空き家が820万戸(平成25年統計)もあります。徳島県でも、64,000戸あります。山梨県は別荘などが多くて、事実上の中古住宅の空き家は四国が全国一です。
また徳島県の特徴は、耐震診断の補助金の出し方が、多くの県と違っています。通常の耐震診断は、旧耐震と呼ばれている基準(昭和56年5月31日)以前の家屋の診断に限られています。それがここ徳島県では、平成12年5月31日以前着工建築までを耐震診断の住戸としています。個人負担は僅か3,000円です。
素晴らしい行政判断だと思います。しかし私の知る限りでは、ここ徳島県だけの措置です。わが香川県でも、将来的に平成12年5月31日に変更する、つまり新耐震基準で建築した住戸でも、検査費用の公的補助をするとはなっていません。
いずれにしても宅建協会が、市町と空き家という困った課題に向き合っているのが、とても印象的でした。協会本部と鳴門支部の会場を拝見しました。木村正美会長が5月に就任されてからの計画ですから、随分駆け足でまとめた相談会構想だったと思います。ご苦労様でした。28日の中四国勉強会で、情報の共有がされるようです。
また22日22時過ぎに発生した長野地震で、震度6の強震だったにもかかわらず、死者がゼロというのは実に嬉しいことです。まさに不幸中の幸いとしか、言いようがない惨事です。ここも限界集落とは言いませんが、過疎の町の一つですが、それでもスキーなどのメッカですから、まだ若者がいた方です。
それでいて住民が協力し合って、被災者を救い出した。やはり日頃からの近所づきあいが必要ですよね。ここでは個人情報保護法も、さほどの意味を持っていません。
法律というものは人間界の幸福のためにあるルールですから、そのお化けに縛られることはないと思います。この地が、決して特異な場ではないのです。日本中がこうでなくてはならないのです。偉大な教訓です。
最後に蛇足ですが日本の民法は、明治27年に出来ています。民法ですから、人の暮らしその時代の常識にそったものです。あれから120年、一度の改正もなく今を迎えています。そして今、常識とあわない民法の改正が行われようとしています。そうです。常識が変わったのです。