2016,04,27, Wednesday
岡山市に本社を置く山陽放送(TBS系列)が、27日20:56から自社制作番組「四国に新幹線を」熱望の背景を探るとして、全国新幹線網に取り残された四国の現状を報道した特別番組を観ました。
事前の告知が度々されていたこともあり大いに期待したのですが、今一歩広がりも深掘りも足りなかったように感じました。わずか一時間枠に、これまでの50年年間を振り返りながら、新幹線完成後の将来の在来線のあり方まで追求しています。 その方面の視点は、良かったところです。つまり今「整備新幹線に立候補」しても完成は早くて30年後ですが、その30年後に四国新幹線が整備された暁には、今使っている在来線をJR四国から離して、地方自治体を中心とした第三セクターが運営するという足かせがあります。 だから辞めようという意見と、それはそうで「庶民の足」として生き残るだけではなくて、その地独特の「観光列車」としての稼ぎなどを加えていけば、むしろ今のJR四国の経営成績(毎年営業赤字)を上回る成績を残せると論じている。この視点は、先に誉めたように良かったと思います。 しかし四国の新幹線実現を目指して、どうして目指すのか、大義やそのメリットについて掘り下げがなかったのが残念です。確かに四国には3本の瀬戸大橋があって、これが新幹線の代わりだよと言う思いは、政治家も四国の住民側にもあったのは事実です。 しかし新幹線の予算は「整備新幹線予算」として、毎年予算総額の1%程度ですが必ず計上されて、それがいま決定されているルートの建設費に充てられていきます。つまり新幹線は勿体ない、待機児童の保育園建設や耐震補強工事に充てたらとかの選択はないのです。 だからまず、「四国新幹線を整備新幹線路線」への「願書」を出すべきです。まずこれが認められて、先に書いたように予算枠が決められているので、その順番に整備されていくのです。このあたりの説明も、残念ながら浜田恵造香川県知事の喋りだけでは、観る人に伝わらなかったと思います。 今からだと、早くて函館から札幌へ北海道新幹線が開通してから20年後でしょう。勿論北陸新幹線も、福井を経由して京都や大阪に繋がったあとです。幸いなことに四国新幹線計画は、4県の県都を結ぶ計画が一番投資対経済効果が良いのです。つまり四国4県の、政治経済界の足並みが見事に揃ったわけです。 そして最後に、「民意が足りない」となっているわけです。県民の盛り上がりがないと。だけど、四国新幹線整備費の地元負担は僅か10%で良いとか、在来線を複線化電化高速化するのに対して、格安(言いすぎかも知れない)だとかの説明が対比されないと、分からないのです。 飛行機路線も新幹線がついているところはいないところに対して、格安だと言うこととか、あまりにも喧伝されていないと思います。繰り返しになりますが、今から20~30年後は、山陰地方や九州の東海岸沿いにも第2九州新幹線が開業しているかもしれません。 また最後に、先の熊本地震をみても、九州新幹線の全線復旧の早かったこと。13日ぶりです。あれほどまで余震が続きながら、高規格新幹線インフラは丈夫に出来ています。今の在来線に手を加えるより、新幹線に特急の役割を担ってもらう。 東北の仙石線や、その先の在来線の復旧にどれほどの時間がかかったか。そのあたりにほんの少しの不満が残りましたが、おしなべて良い企画でした。地元のマスコミは、こぞって報道して民意を高めて「願書」をまず出しましょう。 過去の記事はここから もうひとつ |
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