全国一斉24万人が受験する大規模の資格試験が、香川県下でも香川大学工学部と県立高松南高校の2カ所に1,400人を集めて行われました。試験実施日は毎年10月の第三日曜日と決まっていますが、今日の天気はくもり、暑くもなく寒くもない絶好の受験日和(そんなのあるのか定かではないが)でした。
試験監督をするようになって、もう20回は体験したと思います。今年も高松秋のまつり仏生山大名行列と重なりましたが、このまつりが確か24回目です。最初の頃のまつりは、私も実行委員会に入っていました。香川県宅建協会でもこの試験監督は、年間最重要行事の一つであります。
一般財団法人不動産適正取引推進機構が元請けで、47都道府県知事からの試験実施適格団体指定を受けます。毎年の受験者数は申し込み者数の80%程度ですが、会場の席数や試験問題は、24万人分確保しています。
この試験も過去には香川宅建協会の役員総出で監督員などをやっていましたが、いつの頃からか、半ば専門家集団のようになった派遣業者に助けを求めるようになりました。受験者も多く、またベテラン(連続30回受験者も居る)も多くて、クレームも多く寄せられていました。
また今年の派遣ですが、一見してリタイアー組と思われる男性が目立ちました。総勢50名はいると思いますが、2割弱がその人らです。責任者に聞くと、マイナンバーの導入で副業が事実上出来なくなって、これまでの層と顔ぶれが違っています。
こんな現象は、代行運転手やホステス・コンパニオン(アテンダント)の業界も顕著なようです。副業をして生活を維持していた人には、大変厳しい環境になりました。資格を取得して、宅建業界へ入ってくると言う人もこのところ増えています。開業費は、150万円と机椅子などの備品類で、比較的安価です。
話を戻しますが試験場の総括責任者数名は、日下雅彦会長以下役員の名前を連ねておかないと、万一の場合の責任問題になります。当たり前無事に終わってくれて100点合格ですから、トラブル発生時は大変です。
過去には替え玉受験の者がいると、騒ぎになったこともあります。写真で受験者の顔を確認するのですが、痩せた太った髪を切ったなどで人相が変わります。試験終了前に「棄権」して、脱走する者もいます。心配なのは不正受験が行われないか、そんなことも気がかりです。香川会場でも、全く同じ回答者が出たことがあったそうです。都会ならまだしも、こんな田舎でも実際におこったことです。
合格発表は11月30日。毎年の合格率は15%前後、全50問中31~35問が合格ラインになっています。高い人気を毎年維持して、合格者は90万人います。合格のままほおっておいても良いのですが、合格後「登録」をして次に「宅地建物取引士証」を得て、はじめて宅地建物取引士としての仕事ができるのです。
「宅地建物取引主任者」から「宅地建物取引士」へ名称変更なって、2度目の試験です。より高度な専門性の高い知識が求められるなか、この試験もますますレベルの高いものになりそうです。
そして合格者のブラッシュアップも国土交通省は求めていて、全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)では「不動産キャリアパーソン」受講に力を入れています。たゆまぬ勉強が求められる、宅建業界です。