ここまで書いて良いのかいと、思わず表紙を見直す私です。月刊誌「正論」(産経新聞社)の連載コラム「折節の記」(2015年三月号~2017年五月号)掲載の文章に加筆・訂正して上梓したものですが、見せかけの後ろにある「意図」を見抜く手伝いができれば幸せだと高山正之氏は書いている。
儒教に呪縛された中韓のタチの悪さに、ようやく世界は気がついた。彼らがわめけばわめくほど、その品のなさに、驚きあきれるしかない。1942年東京生まれ、都立大学を卒業して産経新聞社に入社している。産経新聞は、読売新聞よりさらに右寄り思想といわれている。中国・北朝鮮から、入国禁止となっている。
160ページからの「ルーズベルトの仇をトルーマンがとった」で、ルーズベルトは真珠湾(日本軍の真珠湾攻撃)で250人くらいは死ぬと思った。それくらい死なせばどんな国とも開戦に持って行けた。で、彼は西海岸にあった太平洋艦隊をわざわざ真珠湾に持っていった。それを囮にして日本が奇襲をかけるのを待った。
250人と読んだのは真珠湾の水深が14mしかなかったからだ。航空機から発射された魚雷は通常40m沈み込む。つまり浅い真珠湾では雷撃は出来ない。あとは急降下爆撃だが、日本人は近視の上におぶって育てられるから三半規管が異常で「急降下は出来ない」と考えられていた。
しかし日本機の放った20発の魚雷のうち19発が米艦隊の横腹に大穴を開けた。急降下爆撃も高高度爆撃も巧みで、戦艦アリゾナはその直撃弾を受けて沈んだ。先進安全自動車は2800人を数えた。予想の10倍を超えた。自国民を自分のペテンで、ルーズベルトはそんなに殺してしまった。
そして最大の読みの違いは、真珠湾の翌日から日本本土を爆撃して、短期間で降伏させるはずだったB17「空飛ぶ要塞」だった。この爆撃機は、ドイツの最優秀機メッサーシュミットですらまだ一機も落としていなかった。それどころかB17は、逆に独戦闘機をバタバタ落としていた。
まさにスーパー爆撃機なのに、初めて見るゼロ戦に片っ端から落とされてしまった。即座に日本を敗る計画は、泡と消えた。米国はゼロ戦に勝てる戦闘機を生み出すまで3年もかかった。その間に日本は欧米の植民地を解放し、アジアの民は手を上げて哀れっぽく命乞いする白人を目撃した。白人神話は、音を立てて崩れ落ちた。
米国ルーズベルトが勝手に日本と戦争をし、結果、大事な植民地を失った英仏蘭は、ルーズベルトを責めた。俺たちの植民地を、取り戻せと。米国は物量で日本を倒すのに問題はなかったが、それでは「日本がアジア解放に殉じたヒーローになる」だけだ。
白人神話と植民地の復活は不可能だ。ただ、マンハッタン計画(原爆製造)が成功すれば話は違ってくる。そしてそれは、ルーズベルトが脳溢血で死んだ3ヶ月後に産声を上げた。後任のトルーマンは躊躇なく原爆を使った。
米国が神の如く太陽の光を地上に再現したとき、野卑な三流国家は白人国家のリーダーに昇格し、第三世界の上に白人神話を再臨させたと思った。原爆は白人の権威を取り戻す偉業たったと、彼らは信じている。
このようにあからさまに、世界津々浦々の事情を書いている。偏っているとも感じるのですが、私も読売新聞から産経新聞へ変節したもので、このくらいの書体が好きです。昨日の小欄の「バブル」も面白かったが、これもなかなかの作品です。ただし、あくまでも私の主観ですが。