2013,07,09, Tuesday
東京電力福島第一原発事故の収集作業を現場で指揮した元所長で、東電執行役員の吉田昌郎(よしだまさお)氏が9日午前11時32分、食道癌のため都内の病院で死去されたと報道されています。58歳。大阪府出身で、葬儀告別式は未定となっています。
まさか社葬にはなるまいに、しかし今日の日本があるのは、吉田昌郎氏のお陰と言っても過言ではあるまい。未だ完全収束にほど遠い東京電力福島第一原発ですが、今の放射線漏れどころか、完全メルトダウンの寸前で食い止めた、吉田昌郎氏らの働きで、今のこの状態にあるわけです。 首相官邸の意向を受けた1号機への海水注入停止命令に背き、注水を継続したことで問題視もされましたが、それは現場の意見を無視した首相官邸の意見が間違っていたのであり、一瞬の迷いがあってはならない決断を彼はしたのでした。 吉田昌郎(よしだまさお)氏の活躍を描いた本の読書感想を小欄でも紹介しましたが、読めば読むほど、聞けば聞くほど彼の考え方に惚れ込んでしまう。身近で吉田昌郎氏を見てきた人の話でも、人として誇りを持って仕事をしていたという姿が容易に想像できる。 食道癌と診断されて11年11月に入院し、そして12年7月には脳出血で倒れて、本日の絶命まで闘病生活を続けていたわけです。本当に惜しい人を亡くしてしまいました。私はお目にかかったこともありませんが、彼の怒鳴り声が聞こえてくるような気がします。特に参議院選挙立候補者へ、彼の声を聞いてもらいたい。 吉田昌郎(よしだまさお)氏の冥福を祈り、誇りを持って仕事をされた男に心から賞賛を贈りたい。ありがとうございました。 「死の淵を見た男」はここをクリック |