2013,09,17, Tuesday
2011・3・11の東日本大震災の津波にのみ込まれ、送迎バスに乗っていた園児5人のうち、4人の遺族が幼稚園を訴えていた裁判で、仙台地裁は幼稚園の過失を認めて1億7700万円の損害賠償命令判決を出しました。地震後の津波の襲来が、予想できたにもかかわらず、幼稚園は送迎バスを出したというのが過失とされたのです。
この東日本大震災後、日本国内ではこれまでになかった災害が続いています。昨日一昨日は、京都や小浜など、これまで水害で避難を余儀なくされることなどなかった地域での災害が起こっています。水害が広範囲に亘っていますが、「竜巻」など、ピンポイントですがこれまでなかったことが次々起こっています。 特にこのたびの大雨は、台風18号の影響ではありますが、日本海側のいずれもこれまで台風禍の心配が少なかった地域での水害です。特に京都や小浜市での「特別警報」は、初めてのことでそれも夜中の2時とか3時とかの発令です。これでは避難せよと言われても、どうすれば良いのかただただおろおろするばかりです。 大雨による川の氾濫などは、ある意味ピークを過ぎれば水の水位は徐々に下がっていきます。われわれの周辺で言われている「ため池」の決壊も、池の水がなくなればそれで災害は収まります。ただ多くの爪痕は、確実に残ります。片付けも大変だと思います。休業も余儀なくされます。イベント計画も、ことごとく中止でしょうね。 これに比べて津波は、「予見が出来た」としても、その大きさの程度は分かりません。私立の幼稚園の送迎バスの運転については、石巻の日和幼稚園はいざ知らず、香川県下の高松市周辺の幼稚園では、外部の運転免許所持者に運転を頼んでいるのが多いと思います。 石巻市市立日和幼稚園が、どういう体勢で送迎をしていたのか知らずに言っていますが、園の判断は「甘かった」とは思いますが、「損害賠償」をかす判断は、企業責任として「厳しすぎる」と思います。幼稚園側も控訴するだろうと思いますが、どういう結果になっても「悲しい現実」はそうそう消えやしない。 幼稚園や保育所など、「ことある場合には親元に子供を無事返す」ことが命題だと思います。昔のことですがわが子の体調不良でも、「引き取り」をお願いしますとよく電話がかかり、非情に言われたものです。夫婦してこれを「返品」と呼んでいましたが、これが幼稚園保育所の方針だと思います。 私も石巻日和幼稚園の立地を、知っています。そのまま待機していれば、「まず死ぬことはなかった」と親御さんが言うとおり、海から近いのですが里山の高台になっています。私の友も、この山のお陰で自宅が残ったのですが、今冷静に分析する余裕は、あの津波警報の時には失われていたと思います。 食品会社には、食中毒や異物混入で生命にかかわるリスクを負っています。運輸会社も大勢の命を運んでいます。こちらも大きなリスクがあります。日本はどうにかなってしまったようですが、現況を直視し、ため息をつく前にどうするか、自分で災害から身を守る術を考えておくことですね。 自分の考えが外れたら、それは誰のせいでもありません。誰恨むことなく、諦めるしかないのでしょうね。そこまで真剣に、日常生活での「生存」を意識する「有意注意」の時代の到来です。 |