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公認不動産コンサルティングマスター相続対策専門士第2回勉強会
「家族(民事)信託の利用法」と題した、公益財団法人不働産流通近代化センター主催の勉強会でした。会場は、大阪地下鉄谷町線天満橋駅下車徒歩3分の、「全日大阪会館」大変立派なビルの4階でした。大阪は、全日の会員さんも多いと感じました。

話の内容は、「21世紀【変革した社会】における不動産相続戦略」の一つとしての「家族信託」の活用についての内容でした。講師は、ダンコンサルティング㈱取締役・石垣雄一郎税理士です。社長の塩見哲氏も、講師としては超有名人です。

氏は冒頭に、高齢者人口は今後、いわゆる「団塊の世代」(昭和22(1947)~24(1949)年に生まれた人)が65歳以上となる平成27(2015)年には3,395万人となり、「団塊の世代」が75歳以上となる37(2025)年には3,657万人に達すると見込まれている。その後も高齢者人口は増加を続け、54(2042)年に3,878万人でピークを迎え、その後は減少に転じると推計されている。

総人口が減少するなかで、高齢者が増加することにより高齢化率は上昇を続け、平成25(2013)年には高齢化率が25.1%で4人に1人となり、47(2035)年に33.4%で3人に1人となる。さらにその内の30%が、認知症あるいはその予備軍と言われていると脅します。

ところで、日本の「信託法」は1922年に制定され、2006年に改訂がなされています。起源は14世紀の英国と聞きました。欧米では信託は、日常生活に身近なもののようです。ただし日本では、信託銀行など信託のプロが信託制度を活用するものと考えられてきたため、一般には馴染みが薄いのが現状です。

私が宅建免許を得て暫くした頃、そうですね今から30年弱前に、不動産信託登記をガソリンスタンドで見たのが、私が信託を知った最初でした。その時にとても疑問に思ったのは、信託登記をすると、所有権が受託者に移転することでした。しかしそれから暫くして、所有権移転こそが信託の神髄だと知ったのです。

また信託法の改正の背景には、高齢化社会への対応を法的側面から支援していこうという考え方が見え隠れしています。そのため最近は、家族信託の相続対策としての活用の可能性も注目され、現実に一部で信託活用の実践が始まっています。

高齢化が進むと、認知症気味の被相続人(死亡者)も増えます。成年後見制度もあって、医師の診断書を持って家庭裁判所へ行けば、3ヶ月程度で被後見人の認定がなされます。しかしこれを受けたとしても、後見人が勝手に処分(売却)は出来ません。被後見人の施設入居費にあてるとしても、逐一裁判所の判断を仰ぐことになりますし、入居費目当てでも、売却は難しいと言われています。

これに対して信託であれば、受託者が処分するのも自由です。なぜなら所有権が自分にあるからです。ただし、売った売買代金は委託者から指定された受益者の元へ渡ります。複雑になりますが、委託者=受益者もよくあるケースです。従って課税は、「受益者課税の原則」で信託は課税されます。

ここでいう家族信託(民事信託)とは、信託会社や信託銀行を使わない、家族間など親しい人間関係の中で行われる信託のことです(信託法上、家族信託や民事信託という用語はありません)。
信託法に言う信託とは、①信託契約②遺言信託③自己信託の三つです。また1物3者と言って、登場人物(法人も可)は、「委託者」「受託者」「受益者」の3者で、信託される財産を「信託財産」と呼びます。もちろん信託財産は、不動産には限りません。しかし公認不動産コンサルティングマスターが取り扱う相続は、不動産がらみがほとんどです。

このうち「受託者」が信託銀行などのプロの場合には、「商事信託」と呼ばれています。ちなみに家族信託の使い方としては、①まだ子供がいない子供(既婚)への賃貸不動産の生前贈与②両方または一方に子供がいる人同士の再婚③同族会社(不動産会社を含む)の事業承継における株式信託④高齢者(又は障害者)の所有する不動産活用(処分を含む)⑤成年後見制度ではカバーできないケース等。

「教育資金贈与信託」を例にとってみると、祖父母(委託者)が孫への教育費1500万円(信託財産)を孫ではなく信託銀行(受託者)へ信託します。孫が受益者になります。祖父母は信託銀行へ信託した時点で、財産が1500万円減ります。不動産と同じように、所有権が信託銀行に移転するのです。

しかし当然と言えば当然ですが、信託銀行は固有財産と信託財産を分別管理しなくてはなりません。倒産隔離と呼ばれている分別です。これを真似たものに、不動産管理会社の賃料仮受金があります。オーナー様から預かっている入居者からの家賃等は、別口座で分別管理しています。

もう一例。夫Aさんが賃貸アパート(甲物件=信託財産)を所有しています。Aさんには、前妻との子Cと後妻Dがいます。Aは、自分を委託者と第一次受益者とします。Cが受託者です。受益者連続型信託の特例(信託法第九条の三)で、第二受益者を後妻Dと指定します。そしてCを、第三次受益者とします。信託期間の30年を経過すれば、第三受益者へ行かずに第二受益者止まりもあり得ます。

要するに次はお前に儲けが行くのだから、その間はしっかり最高収益が上がるように精を出せよという意味が込められています。これまでの相続税精算課税制度など、65歳以上の高齢者の懐は、政府も狙って世に出回るようにあの手この手の工夫がなされています。

信託法の改正も、そんなよくなることの一助になれと神様が人の手を通じて、我々に託した次の手ではないでしょうか。勉強で終わらないのが、自分たちに課せられた責務かもしれません。





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| 社長日記 | 08:18 AM | comments (0) | trackback (0) |
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