平成25年度国土交通省「中古不動産流通市場の活性化に関する調査検討業務」の第2回テーマ別勉強会「空き家の再生と流通」が東京で開催されています。全国14協議会から、代表が集まっています。昨年はこうした会が、ほとんどありませんでした。私は窓口になった㈱価値総研の担当者に、「全国からの成功事例に学びたい」として開催を迫った経緯があります。
第1回は富山県から、「ワンストップサービスの商品開発について」、地元6行と売買代金とリフォーム一括ローンを開発したという報告があったそうです。四国連携は、インスペクションを500件やるということを決めていますから、この第1回勉強会には参加せず、第2回も参加せずと決めていました。
業を煮やした㈱価値総研から、先の富山の事例を餌に、「来ないと損しますよ」というお誘いを頂きました。大人の会話で、川上幸生さんを誘って上京しました。今回の勉強会は、「古民家空き家活用」の2例を、井上幸一氏㈱ヴィンテージアイモク社長と佐藤彰啓氏故郷情報館代表から紹介頂きました。
古民家空き家活用については、四国連携も古民家を重要な柱の一つにしていますから、今日の話に違和感は全くありませんでした。日本全国どこにでもある風景だし、その一つが四国であっても、齟齬(そご)は全く感じません。最も代表的な田舎ハウスは、小豆島でもあるし、塩江町にもあります。
田舎暮らしを標榜する井上幸一氏㈱ヴィンテージアイモク社長は、「古民家鑑定士」養成にも尽力しています。かく申す私も古民家鑑定士ですが、四国連携が推し進めているインスペクション(目視による非破壊検査)に対して、古民家鑑定は難しいと感じています。
インスペクションは、「子育ての中の日常生活住宅」に対する検査、古民家鑑定士は、「非日常住宅」の検査であります。趣味や憧れの範疇に属する家です。一般的にはその対価が安いから、買う借りるとなりますが、若いうちは非日常生活空間に住み続けることは難しいと思います。
それに対して、退職組などの古民家移住は、配偶者の同意さえ得られたら、十分考えられる選択肢だと思います。今日の体験は、なかなか文章や写真で紹介することがはばかられる内容でしたが、実に充実した一日になりました。四国連携もインスペクションA500に、黄信号がともっています。なかなか内容の説明をする機会もない。限界を感じ始めています。
一個人が業界を変えることは、やはり限界があるようです。このところ疲れを感じます。