■カレンダー■
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
<<前月 2024年05月 次月>>
■お問い合わせは■
松野不動産電話番号:087-888-0011
■過去ログ■
社長日記過去ログ
■メニュー■
松野不動産ホームページ
■管理者■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■新着記事■
■カテゴリー■
■月別アーカイブ■
■リンク■
■その他■
■来訪数■
合計: 2338841
今日: 254
昨日: 1446
 

原発ホワイトアウト
正月確か10日過ぎの四国新聞に、現役官僚若杉冽(わかすぎ・れつ)が覆面執筆した、話題の告発小説「原発ホワイトアウト」が、映画化されるかも知れないという記事が掲載されていました。私もいま、この原発ホワイトアウトを読んでいます。若杉冽は、本名ではなくて架空名義です。どこの誰だか分かっていません。

このような小説が多く紹介されては、国家の秘密保持として問題が多いとして、安倍第二次内閣が先の年末国会で、強引に成立させた「特定秘密保護法」の誕生を急がせたという背景もあります。もっとも特定秘密保護法は、公務員の口を封じるもので、一般国民を縛るものではありません。

特定秘密保護法は、またスパイ天国日本で、外国スパイの動きを弛緩させる目的も持ち合わせています。政治に限らず高度な情報、つまり国内外の経済情報も、やはり官僚が持っています。官僚は言わずもがな公務員です。政府からすると、「お黙り公務員ら。お行儀よくしないとムショ行きよ」と言っている訳です。

私もまだ最後まで読んでいませんが、内容は以下のようなものです。東京電力福島第一原発事故後、全国の原発が停止するなか、選挙で政権復帰を果たした「保守党」が、電力業界や経済産業省とともに原発再稼働に突き進む姿を描いた内容です。「東京電力」が小説の中では「関東電力」などと表現されていて、ややこしいのが難です。

原発を取り巻く政官財の癒着構造や、電力業界の巨大な影響力が、実にリアルに描かれています。男女間の微妙な関係も織り交ぜながら、告発形式の社会派小説です。

面白いのは著者・若杉冽がどこの誰だか分かっていないことです。霞ヶ関の現役キャリア官僚による告発小説と推定されていますが、霞ヶ関は、犯人捜しに翻弄されています。それを知った若杉冽は、2弾3弾を書くと息巻いています。著者を捜し当てるのが早いか、連弾が発射されるのが早いか楽しみです。

売れている(9回の増刷を重ね18万部を販売)背景には、「原発事故が収束していないにもかかわらず、原発再稼働になりふり構わず突進する安倍政権と、自民党への国民の批判の表れだと出版元の講談社担当編集者は語っています。

若杉冽は、日本版スノーデン氏です。あの米中央情報局(CIA)元職員のエドワード・スノーデンですが、ロシア亡命後もまだ定期暴露(報道)は続いています。でも彼は、ロシアへ秘密情報は持ちだしていないのです。既に入手している、英米加の知人の手から、世界中の主要マスコミに定期的に暴露が続いていると言われています。

確かに本に書かれている内容は、「エー本当かよ」と思いながら暫く読み進んでいくと「そうなんだきっとこうなんだ」と確信してしまう内容が実に多いのです。若杉冽は、直接見聞きしたことと、間接的に聞いた内容が半々と言っています。国民・政治家・官僚の三すくみの有り様を上手く描いています。

テレビ番組にすれば、「半沢直樹」位の視聴率は取ると思います。しかし銀行業界と、電力業界は、影響力が違いすぎます。第一テレビ番組に、肝心のスポンサーがつくかどうか。そのあたりも考慮されて、映画化が検討されているのではないかと私は裏読みしています。

原発再稼働なくして、電気料金の値上げは避けられないと国民に迫る電力会社10社は徒党を組んでいますが、その前に東京電力が、福島第一原発事故の責任を会社と株主がどうつけるか明確にするべきじゃないですか。つまり電力会社も一般企業と同じように、潰れることがあり得るという考えを持つべきです。

電力業界は、小説の中で「モンスター・システム」と表現された巨大集金・献金システムを通じて、与党政治家や浪人政治家に金をばらまき、発言力を強めています。どこの世界でも、なにも日本に限定ではなく、政治にカネはついて回ります。

猪瀬直樹元東京都知事だけでなく、政治にはカネがかかるのです。かかるのではなく、本当はかかるように思っているだけかも知れませんが、とにかくカネを欲しがっています。自分のまた自分らの影響力を保持するために、下部組織や同輩に配るカネもいるのです。

猪瀬直樹元東京都知事事件の後に、亀井静香議員の2千万円献金受領も報道されていました。当然同じ医療法人徳洲会からの献金です。馬鹿な私でも、猪瀬直樹元東京都知事、亀井静香議員と続けば、その先に石原慎太郎元東京都知事はいないのかなと勘ぐったりします。

都知事選の結果次第では、徳洲会献金疑惑は、大疑獄事件として逮捕者や起訴訴追者を出すかも知れません。猪瀬直樹前東京都知事が献金疑惑で引責辞任し、都民はカネカネと言わない都知事を求めていることでしょう。そうなると、社会保障を餌に革新系候補に浮動票が流れかねない。

いろいろ想像させる本です。官僚も、上層部の人事は与党政治家が握っており、その政治家にすり寄る。原発を動かして利益を得たい電力業界の思惑が、政府や官僚に行き渡るシステムとして出来上がっています。またくどくなりました。L塩田博志は、「最近なごうていかんのー」と仰っていました。ゴメンナサイ、とにかく面白い本です。


| http://nobuchin.0011.co.jp/index.php?e=2554 |
| 社長日記 | 09:09 AM | comments (0) | trackback (0) |
PAGE TOP ↑