「新しい時代幕開けの新年~業種、地域、国を越えて世界が同時進行で走り始めた」と題した、池田清一郎塾長の話でした。年初は塾長のこの1年の予想です。これがなかなか面白いのです。池田さんのアンテナが、実にシャープです。
今日の話で一番印象に残ったのは、「バブル景気が、瀬戸大橋を渡ってやってきた」という一言です。瀬戸大橋は、昭和63年に開通しました。昭和バブルの始まりが、四国へ入ってきたのが、丁度この頃からです。それで池田さんは、象徴的に瀬戸大橋を使って、バブル景気を表現しています。
バブル景気の寵児は、やはり不動産です。池田清一郎さんは、三菱信託銀行高松支店長から、池袋支店長へ転身しました。バブル景気の中でも、最も激しかったと言われた、「新宿」「池袋」「渋谷」の一つを生体験しました。それからマルナカの副社長でした。
政治は三流、マスコミも三流と言いながら、テレビ東京の「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」などの番組を紹介して、新しい時代の幕開けが始まったと言います。印象に残り、私も見たのが「獺祭(だっさい)」という日本酒の造り酒屋を紹介した番組です。
確か山口県の古い造り酒屋ですが、いまの社長の代になってから、「酒造り」を大きく変えました。酒屋は経営と、杜氏は別人です。杜氏は11月から3月までの、酒の仕込みから完成のはじめまで造り酒屋で働き、新酒の製造を担当し、出来た酒を社長以下社員が販売して、対価を得ます。
要するに作り手と、販売者が別々なのです。これが酒屋の常識であり、これまで何の疑問も持たず、全国で日本酒がこの仕組みで造られていました。この獺祭の若き経営者は、みずからが杜氏となり販売者が酒造りをすると宣言をして、はじめます。
また11月から3月だけの酒造りにも、疑問を持ちます。1年を通じて、「11月から3月の環境」を人工的に作れば、酒造りも1年を通じて出来るのではないかと考えて、創意工夫に励みます。「酒米」も自らが手がけます。出来ないのが当たり前という常識を、ぶち壊しました。
香川の高松には、こんな素晴らしいテレビ東京の番組を見る環境もあると、こちらも絶賛です。この岡高エリアでは、在京キー局5局の電波が入ります。これは希有なエリアであることを私も承知しています。広島も仙台も入りません。デジタル有料放送となると、いまはどこでも見られますが、直接波では先の通りです。恵まれた高松に居住することに、感謝です。