2014,01,24, Friday
「税制改正について超プロ2人の税理士が大綱を読み解きます」と書かれた案内が届きました。特定非営利活動法人近畿定期借地借家権推進機構、平成24年度第4回研修会に、今仲清税理士と坪多晶子税理士の2人が、ディスカッションスタイルで解説をしています。
流石は大阪と言ったら叱られますが、掛け合い漫才でもこのノリは、なかなかでないだろうと思うほどのアップテンポで、司会が言うように、2時間の新幹線並のスピードです。聞くものを飽きさせません。税務の話しは正直、複雑怪奇難しくて、ほとんどの場合は飽きます。 12月末前に発表された(政府)税制調査会の大綱を読んだら、このように書かれてあって、恐らくここに書かれてあるとおり、これからの通常国会で決まりますよと言う話しの組み立てです。これでもって、税務署にこうなるのに間違いありませんかと問いただす人もいるようですが、当然返事はNoです。 いろいろあってまだ頭の中の整理が進んでいませんが、「相続財産にかかる譲渡所得の課税の特例(措法39)」の中で、「相続財産である土地等を譲渡した場合の取得費加算」と言って、納税するために先祖伝来の土地を売りその金で金納する際には、売却した土地の評価額を経費に算入するという制度があります。 譲渡税の計算式は、譲渡金額(売買金額)から原価や譲渡のための費用(仲介報酬等)を差し引いて、「課税譲渡所得」を算出し、それに税率を掛けて税額を出します。税率は、長期譲渡と短期譲渡で変わりますが、どちらにしても原価が高ければ課税譲渡価格は少なくなります。 これは得する制度ですが、これまでは相続税額に対して、先祖伝来の土地全部の評価額が対象でしたが、改正後(平成27年1月1日)は、売却した土地だけの評価額となり、平たく言うと損をするようになります。もっとも平成5年頃まではこれが制度でした。 それで「物納」が増えすぎて、税務署も慌てました。相続税の納税は、「金納」「延納」「物納」とありますが、原則は金納です。物納されるより、譲渡費用として原価計上を認めるから金納にしてねと税制改正がなされ、これまで続いていたのです。もうこれだけ地価評価が下がると、物納も少なくなりました。 ポイントは、これが相続開始後3年10ヶ月以内に限定されているのです。つまりお亡くなりになってからのち、この間であれば有利(税金が少なくなる)ですから、この際相続も終わって落ち着いたから、売却でも良いかという人には良いかもしれません。 なお不利になるのは、平成27年1月1日以後にお亡くなりになった場合です。それでも全く控除がない場合よりは、先祖伝来の安い取得原価の土地は、お得です。 |