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公益法人改革のその後
新聞各紙が2008年から始まった公益法人改革(公益社団法人・公益財団法人)で、2万4317あった公益法人が約3分の1の9204に減ったことが報道されています。これで、政府の当初の目的が達成されたのかもしれませんが、関係者はこの6年間、組織の名誉と財産の保全のために翻弄されました。

旧公益法人は、所管省庁が設立を許可していたが、天下りを受け入れる見返りに多額の事業委託契約を結ぶなど問題が相次いだため、省庁との結びつきを弱め、公益性の高い法人に絞り込む目的で改革がおこなわれました。

そして既存の約1万5000法人が、新公益法人に移行できなかったのです。確かにクレーゾーンにある組織もあったと思いますが、全うに運営していた組織までも移行できなかった現実があったと思います。

はっきり言うならば、同業者の組織は、会員の利益を守るのが第一の目的ですから、真の意味での公益団体とはなり得ないのです。これを共益と言いますが、自分たちの利益をまず一番に、公益を二番に考えるのが普通だと思います。またこれが組織人の、当たり前の考え方だと思います。

報道にもありますが、移行への手続きが煩雑になったために、公益性の高い小規模団体が申請を見送ったという例もあり、公益法人の数が1/3に減少したのは、私は手続きの問題だったと感じています。

われわれの、公益社団法人香川県宅地建物取引業協会もその渦中を彷徨い続けました。4年間ほど、組織は公益法人移行のための勉強会や、禅問答のような会議を営々と続けました。私も理事として、その中をつぶさにみてきました。当時の社団法人が、公益社団法人になれないとその資産(土地や建物や固定資産)を同種の公益社団法人や公共団体に寄付することとされていました。

このように、先輩たちが営々と築いた名誉と財産を守るために、4年間もの無駄な時間を費やしたと私は今でも思っています。おかげで香川宅建は、公益社団法人香川県宅地建物取引業協会として再出発することが出来ました。

全国の同じような宅建協会で、35団体が公益社団法人化出来ましたが、12団体が時間切れもあって、一般社団法人にとどまっています。公益目的事業が全体の50%以上あることが一つの条件ですが、これまで公益と考えていた事業の多くが否定されました。

確かに法人数の減少に伴い、08年度当初予算で3041億円あった補助金が、今年度は1838億円に減少しています。内閣官房によると、省庁からの事業委託費なども大幅に削減されたといいます。しかしその減額は、微々たるものです。手続きの煩雑さと比べれば、国民負担は大幅に増額されています。

公益審査は各都道府県の第三者機関で審査することから、これまでの監督官庁との関係が薄くなり、省庁の影響力を及びにくくした意義はあるかと思いますが、少なくても宅建協会は国から補助金などもらっていなかったと思います。監督官庁は国土交通省ですが、特段の関係はなかったと思います。

逆に私は、日本相撲協会がどうして公益財団法人化出来たのか、疑問に思っていました。どう考えても相撲協会は、相撲業界人のためにある組織です。しかしそこに公益性をひっつけて、結果、公益財団法人日本相撲協会としてギリギリのタイミングで誕生しました。

その相撲協会の目的と運営には、公益財団法人日本相撲協会は、公益法人として自らの定款と諸規則により運営されています。太古より五穀豊穣を祈り執り行われた神事(祭事)を起源とし、我が国固有の国技である相撲道の伝統と秩序を維持し継承発展させるために、本場所及び巡業の開催、これを担う人材の育成、相撲道の指導・普及、相撲記録の保存及び活用、国際親善を行うと共に、これらに必要な施設を維持、管理運営し、もって相撲文化の振興と国民の心身の向上に寄与することを目的としています。なお、協会の運営は理事会の決議により決定いたします。

はっきり申せば、申請書の書きようです。公認会計士や税理士、弁護士の手助けがなければとても処理できないとレベルが求められています。この結果を、改革が求めたとは思いませんが、残念ながら、このような結果になっています。

確かに会計処理も複雑で、アメリカ基準が取り入れられているのかも知れませんが、私の尊敬する久保喜治さんも言うとおり「分かりにくい」のは私も実感です。しかし、その憧れの公益社団法人香川県宅地建物取引業協会になったのですから、そのルールは守らなければ、取り消されもあり得ます。

何だか苦労して良くなっているのか疑問は残りますし、日本が日本独自の路線を歩むことに支障が出はじめているのも現実です。しかし日本も世界の中での日本です。良くなる前の陽転反応と考えて、ここ一番理事会中心の組織活動に励みます。理事は登記されて、訴訟の当事者(訴えられる側)にもなります。


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| 社長日記 | 09:10 AM | comments (0) | trackback (0) |
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