香川県下で、公益社団法人香川県宅地建物取引業協会会員1千社が発注するインスペクション(中古住宅現況検査)をやってくれている、アイディール設計集団が名称を、「一般社団法人ワールド・インスペクション」に改めて、国土交通省27年度補助事業に応募しています。
これまではわれわれが応募して、補助金をうけて、すでにインスペクション(中古住宅現況検査)制度を確立しています。国土交通省からは、住宅局と土地建物産業局から、似たような補助金が単年度予算ですが継続化して出ています。国土交通省としては、使える中古住宅は流通促進を、使えない危険家屋は解体と考えています。
インスペクション(中古住宅現況検査)は、今の流行語です。中古住宅は、良い場所にあって価格が安いという定説があります。しかしその中身は、「運任せ」という側面が残念ながらありました。それを見える化していく手法の一つが、インスペクション(中古住宅現況検査)です。
媒介(仲介)の流れとして、売りたいというお客様に媒介契約を頂きますが、その際に土地に関しては、土地家屋調査士というプロをして「境界確認」をする。そして建物がある場合には、インスペクション(中古住宅現況検査)をすることをお願いしています。専任媒介契約の中にも、それを書き込みます。
概算費用として、香川宅建業者発注の場合にはインスペクション(中古住宅現況検査)が4.5万円、境界確認はまだバラバラですが10~15万円程度でやっています。これを香川県版媒介方式として、私は全国版にしたいのですが、なかなか現場で使われていません。
大きな原因としては、もっとも当事者の私としては本当のところは計り知れないのですが、媒介価格(売値)が下がっている昨今、売主へのさらなる負担は「気の毒」という考えがあるようです。しかし相続物件の媒介依頼が増えるなか、相続で自分のものとなった中古住宅の中身は、相続人には全く分かりません。
このような現況からも、専門家がそれぞれの立場で担保するのは、売主の強い味方だという側面があります。確かに20万円近い費用がかかりますが、それで売主負担が軽減できるとすれば、売主にとっては朗報ではないでしょうか。このスペックを、私は全県にまた全国へ普及させたいのです。
7月31日(金)に国土交通省から発表された指針に基づく、公益財団法人不動産流通推進センターからの価格査定マニュアルにも、インスペクション(中古住宅現況検査)をしているかどうかの項目があります。また来年改訂の重要事項説明には、インスペクションをしているかどうかの記述も問われるようです。
先にも書きましたが、インスペクション(中古住宅現況検査)はどうしても外せない「標準モデル」となっています。このため全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)は、傘下会員全国10万社が利用できるインスペクションを、ハトマーク支援機構を通じて住宅保証機構と8月10日提携をしました。9月1日(火)から利用できます。
不動産専門誌の報道ですが、住宅保証機構へ問合せしたところ、詳細はまだ発表段階ではないとのことです。価格も香川版に比べて、いくらか高いようです。私は全国版ではなくて、香川版で良いと考えています。これからインスペクターが増えます。これまでと真逆の現象が、現れると思います。