2015,09,17, Thursday
金融が絡む仕組みの開発を促す、国土交通省の来年度予算の中に「良質ストックを適正評価」するための予算申請がなされることが分かりました。具体的には、国土交通省が提出した16年度予算概算要求で、中古住宅ストック関連の
予算要求が、前年比3割増となる見込み。 中古住宅流通関連事業に、国土交通省は来年度さらにアクセルを踏むと言うことでしょうか。継続事業としては、長期優良住宅化リフォーム推進事業に61.2億円。(危険な)特定空き家は解体を薦め、良いものはリフォームをして、長期間使用する基本姿勢がより鮮明になっています。 今年度に着手しているインスペクション(中古住宅現況検査)を契機とした情報の蓄積・活用事業と、インスペクション技術の開発・高度化を後押しする事業に3.6億円も要望しています。国土交通省は、インスペクション(中古住宅現況検査)した住宅履歴の蓄積を考えています。 そして16年度は、これらの取り組みによって形成を図ってきた良好な住宅ストックが、市場で適正に評価される仕組みづくりの支援をスタートさせたい考えのようです。ビッグデーターの蓄積準備が、来年度一気に進むかどうかは計り知れません。 日本の住宅環境が、ここ数年充実してきていると思って喜んでいます。毎日住宅と接している宅建業者には、住宅寿命が20~25年ではあまりにも可愛そう。現実的にも、家が25年で朽ちはてることはありません。現状に制度が、やっと後追いで付いてきているように思います。 小欄で既に何度か書いていますが、建物の基礎・躯体のランクを、AAAランク(長期優良住宅)で100年、AAランク(劣化対策等級3相当)で75年、Aランク(劣化対策等級2相当)で50年、Bランク(昭和60年以降の旧住宅金融公庫融資住宅相当)で40年、その他Cランクで30年と国土交通省が発表しています。 上に書いたように、どうしょうもない古い建物は壊して更地にして、次の有効利用を考える。密集地では適度な空き地も、防犯上からも求められるところです。また良い建物には、これまで以上の耐用年数を与え、金融機関からの融資の期間延長や、定期借地権建物の中古流通にもプラスに働く動きを作りました。 国土交通省の本気に押されて、ここ数年で「日本の住宅」の扱いは更に良くなることでしょう。特に国土交通省の長寿化に、金融機関が追随する動きをしていることが、より実態に即していると感じる点です。金融機関の持っている、中古住宅の寿命、つまり融資期間の延長が、期待されています。 |