私の所属する一般社団法人香川宅建協会の支部長や、本部副会長(相談役)を長きにわたり務められた久保喜治さん。こう書くと、「お気の毒に」と続くのが常ですが、この人にそんな常識は通じません。昭和4年4月の生まれですから、87歳です。90歳になったら生前葬をすると、もう何年も前から準備する人です。
少年飛行兵として志願し、従軍したにもかかわらず共産党員です。戦争を体験したからこそ、今の久保さんの考えがあるのかも知れません。「健康のためなら死んでも良い」と言う、本末転倒なところも散見されますが、実に痛快な生き方をされている宅建業界の先輩です。
この久保さんが一昨年奥様を癌で失い、流石に意気消沈かと思いきや、変わらずに若い子が大勢居るからという理由で、「スポーツジム(まちけん)」へ日勤しています。それも100歳まで行くからと、80歳前後で終身会員になっています。60数(現100)万円をぽんと払い、恐るべし久保喜治さん。
その久保喜治さんが、ナナ何と今度は本当に新居を建てたのです。豪邸を持ちながら、確かに1人には広すぎる家でしたが、そこは売却し今度も2階建ての家です。もしかしたら愛人と暮らすのかも知れませんが、それにしても87歳ですよ。本当に100歳越を達成しそうな勢いです。
それも子どもが居ないのですよ。姪の「サッチャン」にやると遺言を書いたそうですが、健常人でも家移りは重労働。流石に死にかけたと挨拶で述べていましたが、常軌を逸した狂気の沙汰。
そんな久保喜治さんが、家移りを手伝ってくれた人へのお礼の会をするというので、高南支部評議員が駆けつけました。それも地域内のおしゃれ空間「チェルシー」で、豪華絢爛今はやりの結婚式も行われる会場です。そこで振る舞われた料理は、その場で調理されています。これでは会費が足りません。
久保喜治さんは、賑やかなことが好きで、生前葬のための墓と自画像の金属板をもうすでに建立しています。そこに吉永小百合(日活純愛路線で浜田光夫とコンビを組み、数多くの日活青春映画に出演し当時の若者達に絶大の支持を得て日活青春映画の黄金時代を築いた。)さんのサインを添えるべく交渉中とか。そうそう「久保喜治の歌」も出来ています。