2016,11,22, Tuesday
11月22日午後から岡山市のホテルグランヴィア岡山で、全宅連中国四国地区連絡会が開催された。連絡会には、伊藤博全国宅地建物取引業協会連合会会長も駆けつけて、全国各地で行われている地区会で、より一層法改正やコンプライアンスの徹底、また宅地建物取引士になったことから研修を実施するよう努力義務が課せられ事に対する実践が行われた。
全宅連中国四国地区連絡会は、全宅連傘下の中国5県と四国4県の正副会長らで構成されていて、年に2度程度開催されている。今年度は、津村義康広島県宅建協会会長が統括責任者として会をまとめる。中四国から67名、中央から数名が参加した。 第一部は「空き家問題の解決に向けて」と題して、オラガ総研㈱代表取締役牧野知弘氏が、地元愛媛県松山市と岡山県岡山市の地方都市の現実と、大都市の横浜市でおこっている空き家問題を例題として、赤裸々な現実を投げかけて、その解決策案まで論じていた。 私も空き家問題は全国的に広がってはいるが、限界集落など地方においてより一層深刻化しているという認識でいた。ところが牧野知弘氏によると、実家のある横浜市栄区庄戸(三井不動産が開発)と、山を隔てて立地する同市金沢区釜理谷西(野村不動産が開発)の惨状を例とした。 昭和期末のバブル経済真っ盛りの頃は、80坪の敷地で1.5億円まで高騰した。それが今では10分の1の2,000万円に届かないという。「駅バス団地」と言うそうだが、競争力を失い高齢化が進展。典型的なベッドタウンで、最近15年でエリア内人口は15~20%急減している。 「売れない」「貸せない」「住む予定がない」という三重苦の資産の行方は、相続税、固定資産税都市計画税、譲渡税を考えたら「負動産」となっている。私は価格次第で売れない不動産はないと考えていたが、もはや大都会の現実を耳にして強い衝撃を受けた。 解決策として講師の牧野知弘氏は、大胆に所有権を溶かして「利用権」に転換したらと提案。そして利用権を流通させるマーケットの創設。もう使わない、価値のない所有権を現在必要な施設建設のために流動化し、当該施設の「利用権」に変換することで、空き家を新たに活用することが出来る。さらに「空き家問題」は、新しい不動産価値を創造する絶好の材料とまで言い切った。 第二部では、民法改正と宅地建物取引業法改正が不動産取引に与える影響についてと題して、深沢綜合法律事務所柴田龍太郎弁護士の解説があった。 |