2013,12,01, Sunday
電力システム改革を3段階で進める改正電気事業法が(11月)13日午前の参院本会議で自民、公明、民主3党などの賛成多数で可決成立しました。大きな話題にしては、実に小さな扱いに、これからの例えば2015年に、全国規模で電力需給を調整する「広域系統運用機関」を設立するとか、16年に電力小売りの参入を全面自由化し「地域独占」をなくす、また18~20年に電力会社の発電と送電部門を別会社にする、「発送電分離」を実現するとこれから先の激変を孕んでのスタートです。
本改正は、1951年にいまの電力制度ができて以来の抜本改革となります。この制度つまり全国9電力に分割したのは、松永 安左エ門(まつなが やすざえもん、1875年(明治8年)12月1日 - 1971年(昭和46年)6月16日)と聞いています。松永安左エ門は、「電力王」「電力の鬼」と言われた日本の財界人。 政治家(帝国議会衆議院議員1期)。美術コレクター、茶人としても知られ、耳庵(じあん)の号を持つ近代小田原三茶人の一人。氏名は「松永安左ヱ門」と表記されることもあそうです。彼が小田原で、全国9電力に分割した当事者と私は聞いています。何者かは、よく存じません。 今回の改正電気事業法は国鉄、通信、郵政と改革が進み、最後のガリバー企業、大手電力会社による地域独占体制に風穴を開け、電力事業への新規参入や電力会社同士の競争を促すシステムです。日本には、大企業はあっても、大企業群はこれでなくなるのでしょうね。寂しい気もしますが、機会均等、自由競争が進みもっとよくなることでしょう。 電気も現在のインターネット網のような、小さな発電所を短距離でつなぎ、高圧送電線のロスもなくし、サービスの選択肢を広げ、電気料金をできるだけ安くする狙いがあります。また企業が自家発電した電気を自社工場などで使いやすくするため、大手電力会社が送配電網を貸し出すよう義務付けています。 現行では送電網の貸し出しの是非が、電力会社の自由な判断に委ねられています。渋々貸しているというのが、実態でしょう。これからは、原発ゼロに舵が切られると思います。私も半数の原子炉の再稼働を考えていましたが、ここへ来て、福島県内の甲状腺疾患を聞いては、全廃炉も仕方ないかなと残念に思います。 政府は東電福島第一原発事故の反省から、電事法を3回にわたって改正する予定で、今回はその第1弾です。付則に工程を明記した小売り自由化と発送電分離は14年と15年の通常国会に、それぞれ改めて改正案を提出する予定です。 当然改革によって電気事業者の経営が著しく悪化することが予想される場合は、競争条件を緩めるなど必要な措置をとることも定めています。私はこのままでは電力会社は潰れると危惧します。栄耀栄華を極めた全国9電力会社ですが、今のような容赦のないバッシングは可愛そうです。 電力システム改革は、安倍政権の成長戦略の柱。先の通常国会に提出した法案は与野党対立のあおりを受けて廃案となったため、政府が改めて今国会に提出したのです。しかし今回はすんなり通ってしまった格好です。東電福島第一原発事故のその後が、良くないのでしょうか。もっとも安倍晋三首相は、「原発ゼロ」は考えていまい。 東電は、「発電」と「送電」及び「原発」「廃炉」に分離されるようです。全国9電力会社もおしなべてそのようになるのでしょう。最後に残った日本国内巨大会社も、東電福島第一原発事故のために、JALと同じ運命をたどることになります。しかしそこには、救世主「稲盛和夫」はもういないのです。 |