2013,12,08, Sunday
京都サンガの応援に廻っていた私は、喜び半々です。国立競技場で争われた京都サンガVS徳島ヴォルティスのJ1昇格を決める戦いに、徳島ヴォルティスが2-0でサンガを破り、四国初のJ1入りを果たしました。稲盛和夫塾長の京都を応援していましたが、四国の住人としては、地元徳島イレブンの活躍にもエールを送りたい。
2005年のJ2参戦から9年目でかなえた四国初のJ1昇格。小林監督は「ちょっと夢みたいな感じ」と会見でおどけて見せていました。02年に大分、05年には山形をJ1に導いた“昇格請負人”が顔をほころばせたのです。給料も上がるな。プロの世界も指導者しだいですかね。結果は実績が物語っています。 前半39分、千代反田選手がCKを頭で合わせて待望の先制点。鮮やかなヘディングシュートでした。4分後には、後ろから出たボールを津田選手が押し込んで2点目。シュート数はわずか4本。多くの時間帯で守勢に回りながら、集中力を保ち続けてゴールを割らせなかった。サンガのツメが弱かった。 06年から3年連続最下位。「練習が始まる10分前なのにグラウンドに誰もいないんだから」と08年に就任した中田強化部長は振り返っています。低迷も致し方なしの状況だったと懐かしく語ります。そもそも四国はサッカー不毛地。昔から野球王国という常識に肩の狭い思いをしてきました。 そんな低迷期に、若手の模範となる人材を獲得しはじめます。その代表例が11年まで徳島ヴォルティスに所属していた倉貫選手です。その倉貫選手は、皮肉にも今季は京都に所属して昇格を争う相手となったのでが、練習開始の2時間前に現れ、トレーニング後は2時間かけて体をケア。プロ意識の高さに触発され、チームは変わっていったといいます。 2年前、最終節まで昇格争いを繰り広げるも一歩届かずの4位に終わった。「2年前の悔しさを思い出して、うるっときた」と津田選手の会見。名古屋から10年に加入した津田選手は、自身5季ぶりにJ1の舞台となります。経験者が良き手法を示すことは、チームを強くするエネルギーです。 ところで「ヴォルティス」とはなんぞや。公式ホームページには、イタリア語で渦を意味する「 V O R T I C E 」から生まれた造語。豪快な鳴門の渦潮のように、パワー・スピード・ 結束力を兼ね備え、観客を興奮の渦に巻き込むチームを目指しています。徳島と言えば、「鳴門のうず」と「阿波踊り」とオロナミンCの大塚製薬です。大塚美術館へも人が増えることでしょう。 同時に讃岐カマタマーレが、鳥取を破ってJ2初昇格です。鳥取はJ3へ降格、厳しい勝負の世界です。この入れ替え戦も、観ている者には面白い仕組みですね。勝ったら次のステージへ上がれる。その希望と危機感が、シリーズを活気づけています。横浜Mも、詰めが甘かったばかりにJ1優勝を逃しました。 J2最下位の鳥取と、日本フットボールリーグ(JFLはJ3)2位のカマタマーレ讃岐による入れ替え戦は8日、鳥取市のとりぎんバードスタジアムでホームアンドアウェー方式の第2戦が行われ、カマタマーレ讃岐が1-0で勝ち、2戦合計2-1として初のJ2昇格を決めました。 不利と言われているアウェーのカマタマーレ讃岐は、前半20分に左からのクロスを高橋が頭で合わせて先制。後半9分に退場者を出してから守勢となったが、粘り強く無失点で切り抜けたのです。これで高商サッカー部も、またまた熱く燃えることでしょう。 ただ困惑するところもあります。各方面から人脈を辿って応援要請が来ます。四国アイランドリーグ+1は野球です。「香川オリーブガイナーズ」からも、ドラフト選手が出はじめています。そしてサッカーが「カマタマーレ讃岐」。加えて、バスケットボールがあります。多様化する社会ですが、懐は多様化しようがないのです。 |