2014,09,14, Sunday
小保方さんの問題で評判を落としていた理化学研究所と、先端医療センター病院(神戸)のチームが12日、IPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った網膜の細胞を、「滲出型加齢黄斑変性(しんしゅつがたかれいおうはんへんせい)」を患う患者の右目に移植し、手術は成功したと報道されています。
IPS細胞から作った細胞を、患者へ移植する手術は世界初の快挙であります。京都大の中山伸弥教授が開発したIPS細胞を使う再生医療の、今後を占う第一号として、内外の注目を浴びています。私もこの手の「加齢」に立ち向かおうとしているところで、そんな後期高齢者が多く控えています。 私は科学医療ネタには造詣がなく、全くの門外漢ですが、この報道は目の構造図で説明したりしてくれているので、非常に分かりやすく、納得するものです。この手術も1年間の経過観察が必要と言われていて、手術自体は成功したが「真の成功」の判断は、これからのことのようです。 しかし京都大の中山伸弥教授が開発したIPS細胞(人工多能性幹細胞)理論が、短期間でノーベル賞を受賞した理由が、ここではっきりしたと思います。大きな成功のシーズは、実に「シンプル(単純)」なのです。コロンブスの卵のように、「気がつかなかったけれど言われてみればその通り」というのが大発見のようです。 IPS細胞を中山伸弥教授が発表した後、解説者が「心臓も作れる」などという発言をしていましたが、私は今回の網膜再生細胞程度の小さくて薄い細胞が入口であって、心臓臓器のようなものは50年先に完成するかどうかわからないと考えていました。その意味でも、今回の快挙に私は合点です。 しかしこの再生医療技術も、定着までこの先10年の歳月が必要とのことでぬか喜びも出来ませんが、緒に就いたのは事実で、大変嬉しい快挙です。理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの高橋政代プロジェクトリーダーも、女性です。先代に比べて、高橋先生はもう少し経験者とお見受けしました。 最後に、兵庫県在住の70代女性患者さんにエールを贈りたい。右目ですから左目があると言ってしまえばそれまでですが、あなたの勇気で40万人と言われている網膜障害患者に一筋の光明が、LED照明のように輝きはじめました。ガス抜きのために下を向いて寝るなどの苦痛も伴いますが、お達者で。 |