2014,10,07, Tuesday
国土交通省住宅局から、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(長嶋修理事長)に、「診断の様子を見学する勉強会を持ちたい」という申し入れがあって、9月29日に埼玉県川口市の現場で、勉強会が開催されました。
既報の通り、宅地建物取引業法に定める俗に言う資格者である宅地建物取引主任者が、来年4月から呼称が宅地建物取引士になることが決まっています。またそのために、5年に1度の更新講習会の時間が1時間ほど長くなることも、公表されています。 受ける側の私たちからすると、その1時間を含め、全体のカリキュラムがどうなるか、わくわくもするし、また心配なところでもあります。週刊住宅新聞によれば、国土交通省は宅地建物取引士への移行によるプラス1時間を、インスペクション(住宅診断)にあてようと考えているようにも読めます。 とは言いながら、実際の現場へ出て住宅診断をするわけには、当然なりません。しかしながら、国土交通省は中古住宅の流通(売買契約)活性化に、建物目視による非破壊検査で行うようにリードしていく方向ははっきりしています。 国土交通省内の局は違いますが、どの部局も「中古住宅流通活性化」「「空き家管理等基盤強化推進事業」など、呼び名はいろいろありますが既存住宅の活用が、安倍晋三首相のアベノミクスへも繋がり、業界の発展に社会貢献に寄与すると考えています。 ただ、中古市場の円滑な取引活性化に向け、インスペクションをめぐる環境整備はまだまだ進んでいないのが現状です。正直なところ4年前には、私もインスペクションなど聞いたことがありませんでした。ここ数年にわかに降って湧いたような「作業」ですが、買主への情報開示「見える化」の一環としても有効です。 新聞にも書いてあるように、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会だけがインスペクターの養成先ではなくて、公的資格でないだけに、群雄割拠し始めた分野であります。現行では、建築の専門家である建築設計士にインスペクターを託す方向です。 建築設計士以外、例えば宅地建物取引主任者が勉強会を受講してインスペクターの資格認定をするような組織も散見されますが、少なくても今のところは、建築のプロ「建築設計士(1級・2級・木造)」に委ねることが良いと思います。 |