2015,03,23, Monday
国は、2月26日、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の一部を施行しました。同法は昨年11月に成立し、11月27日に交付されていました。また5月26日には、法律の残りの部分が施行され、国土交通省から、空き家活用を進めるためのガイドラインもあらたに公表される予定です。
法律制定の背景には、空き家が増えていることにあります。適切な管理が行われておらず、倒壊の危険があったり衛生上・防犯上・景観上周囲に悪影響を及ぼす空き家が全国的に増加しているのです。 まさに倒壊しそうで、持ち主も分からない空き家をどうするかを根本に据えようと、国が自治体の背中を押す形で法律を作りました。日本が抱える、新世紀の矛盾が大きな壁となっているのです。それは「個人情報保護法」の縛りです。私は呪縛だと思っています。 同じ役場の中で、固定資産税を取り扱う部署が所有者情報を持っています。ただ、個人情報なので、隣の机の担当者はそれを聞くことが叶わない。こんな矛盾が、個人情報が故にありました。役所外へは、それ以上に厳しく、本人以外は委任状を持参する者、弁護士などの士業の者に限られています。 もう一つの大きな課題は、除去を促すにあたっては6分の1の固定資産税免税措置をどうするか。全国の市町村会からは、除去後の固定資産税は6分の1から元に戻してほしい。もしくは、特定空き家と認定した時点で、土地の上に何があっても正規の課税に戻して欲しいという要請が全てだったそうです。 それを受けて最終的には、特定空き家に認定された時点で、建物が現存していても免税措置をなくし、更地評価にするという今回の法律を制定したのです。固定資産税は、役場の大きな収入です。税収の5~6割の金額を占めています。役場としては、この部分はどうしても死守したいところです。 5月のガイドラインに沿う形で、各自治体(役場)から条例が出されると思います。空き家は、直して使うか、壊して更地にするか、勿体ないという日本人の得意技、そのためには香川宅建協会が推奨するインスペクションと呼ばれる「建物目視検査」をして判断するのも、一つの選択肢だろうと思います。 |