2015,03,26, Thursday
政府の規制改革会議は今月(2015年3月)12日、医師からの処方箋を受け付ける薬局を病院外へ置く現行の「医薬分業」の方針の見直しに向けて、議論を始めたというのです。これは大変なことです。コンビニの数ぐらい新しく出来た感のある「調剤薬局」です。
そもそもヨーロッパで、古くからある考え方を日本国内で踏襲したようですが、もうすっかり定着し、院外調剤が当たり前のように思われて、国民も当然これに従っています。そのため病院の脇に、調剤薬局があります。 香川県立中央病院が昨年完成しましたが、周辺での調剤薬局の場所どりで、大手の調剤薬局が法外な価格で土地を購入したとも聞いています。それでも開業時期に合わせて、一件落着。これを改めて、病院内に設置しても良いとなると、関係者からは、「騙したな」となると思います。 そもそも「薬剤師による処方のチェック」という観点から考えるなら、院外調剤などしない方が良いのではないかと素人の私などは考えていました。病院内なら、電子カルテを通じて、薬剤師が医師の相談に乗ることができるし、実際に、そういう仕事が行われていました。 院外調剤にすると、公定薬価と仕入れ値の差、即ち薬価差益が病院から薬局に移るので、医師が不要な処方をする誘引をなくせるという話もかつてあったと思いますが、度重なる薬価引き下げによって、薬価差益はほとんどなくなっているのが実態だろうと思います。 病院が薬を売っても、それ自体で儲かるということはないので、在庫等のストックリスクから、専門の第三者へ委託しましょうというのがこれまでの流れです。薬というものは、1個で売っているのではなくて、例えば20個の梱包で製薬会社から販売されているのです。 仮に卸問屋が関与したとしても、最低ロットは変わらない。従ってめったに使わない特殊な薬は、「ありません」というのが普通です。それが患者さんのためにならないとして、「1個からでも」となるのです。ここから調剤薬局の多店舗店舗化が始まります。余ると儲けなど論外になります。 そのため今は薬剤師の取り合いです。しかし2年後には、その薬剤師も大量に誕生してきます。4年制大学から、6年制大学へ変更になったものが、あと2年で解消されます。法科大学と同じように、薬剤師も存在だけではやっていけない時代になります。 「院内調剤薬局」と「院外調剤薬局」が共存したら、多くは院内調剤薬局へ向かうでしょう。それは駄目よと言うしきたりであったが為に、これまで院外調剤に頼っていたものですから。先の八ッ場ダムと一緒で、政権が変わるとこんなことが起こるのですかね。振り回される小資本家は、たまりません。 |