2016,10,26, Wednesday
21日政府・与党は来年の予算編成にともなう税制改正で、タワーマンション(超高層の集合住宅。一般には,地上 20 階以上のものをいう)などの高層住宅にかかる固定資産税を見直すと発表しています。タワーマンションに関しては、相続税評価でもメスが入りつつあります。
現在は同じマンションで、床面積が同じであればどの階でも同じ固定資産税課税ですが、実際の取引価格は高層階ほど高額であることから、高層階ほど税負担を高く低層階では低くなるように調整し、一棟ではこれまでと同じ固定資産税額を徴収するというものです。実施は平成30年1月からが、予定されています。 固定資産税は固定資産の評価額に対して、毎年1.4%の税率がかかり、区市町村長から年間4回に分割して支払うように請求書が来ます。勿論1年分を一括納税することも出来ますが、昔のように一括納税の割引額が多くなくなり、私は当然のように4回分割引き落としにしています。 区市町村の固定資産税額は、東京都区を除き地方の市町村収入の6割にもなっていて、これがなくては市町村の収支は成り立ちません。ちなみに東京都港区の税収は、九州7県の合計額より多いと言われています。港区には本店が多いのです。これはこれまで書いてきた固定資産税とは違い、法人税も含んだ税収の総額です。 また相続税評価額も矛盾が多く、この価格乖離から相続税対策と言われています。具体的には、そのマンション一棟の平均価格が5,000万円だとすると、上層階は8,000万円や1億円、1.5億円もするのですが、下層階は4,000万円とか3,000万円とかで売買されています。 しかしこれまでの評価方法では、このマンションの公的価格は5,000万円なのです。どの階のどの住戸を区分所有で購入しても、5,000万円ですから、時価相場が1.5億円のマンションを購入すると1億円の差額がでます。この差を利用するというのが相続税対策となっているのです。 固定資産税の評価額も、原理的にはこれと全く同じです。つまり公的価格と実勢価格の差があればあるほど、乖離幅が大きくなってメリットがあります。先に通達で相続税評価額の方法が変わり、次に固定資産税評価が変わりつつあります。 またこの二つは、相続税は国税で固定資産税は地方税と必ずしも同一線上にないように一見見えますが、実は二つには関連性が強いのです。その一つですが、マンション住戸の売買契約の所有権移転登記の際の登録免許税は固定資産税評価額が使われます。従ってこのような連携が行われるとも言えるのです。 |