PPP(パブリックプライベートパートナーシップ)は、文字どおり、官と民がパートナーを組んで事業を行うという、新しい官民協力の形態であり、次第に地方自治体で採用が広がる動きを見せている。リードしているのは、国土交通省や内閣府です。
PPPは、たとえば水道やガス、交通など、従来地方自治体が公営で行ってきた事業に、民間事業者が事業の計画段階から参加して、設備は官が保有したまま、設備投資や運営を民間事業者に任せる民間委託などを含む手法を指しています。
これに対してPFI(プライベートファイナンスイニシアチブ、民間資金を活用した社会資本整備)との違いは、PFIは、国や地方自治体が基本的な事業計画をつくり、資金やノウハウを提供する民間事業者を入札などで募る方法を指してるのに対して、PPPは、たとえば事業の企画段階から民間事業者が参加するなど、より幅広い範囲を民間に任せる手法であることだが、いずれにしても地方自治体の財政力が泥弱化している昨今の、次の社会資本整備策と考えられている。
本日の呼びかけで内閣府及び国土交通省では、「日本再興戦略改訂2016」(平成28年6月2日閣議決定)、「経済財政運営と改革の基本方針2016」(平成28年6月2日閣議決定)、「PPP/PFI推進アクションプラン」(平成28年5月18日民間資金等活用事業推進会議決定)などを矢継ぎ早に決定して、民間活力を導入しようと考えている。
さらに「第4次社会資本整備重点計画(平成27年9月18日閣議決定)等における官民連携事業の導入を一層促進すべきとの指摘を受けて、また地域活性化や地域経済の発展にも寄与する官民連携事業の案件形成を支援するため、関係省庁とも連携し、官民連携事業の推進のための「地域プラットホーム(相談窓口)」の形成を進めています。
大西秀人高松市長も4市首長の1人としてパネラーの意見を述べていましたが、高度経済成長の時代に整備された公共施設が多い中、今後50年間の公共施設に係る投資可能額は、年間79億円と試算されているが、更新費用(平均)は、年間125,9億円と推定されていて、50億円/年の大幅財源不足になると予想を発表しています。
ステークホルダー(企業に対して利害関係を持つ人。株主・社員・顧客だけでなく,地域社会までをも含めていう場合が多い)の調整に時間がかかり、公共がやった方が早いという本音も正直に吐露されていました。
高松市はまだしも、徳島県阿南市長や高知県須崎市長は、大規模地震の津波対策が最優先であると複雑な心境を語っていました。防波堤では、民間が協力しない。
にわかに官民連携PPP/PFIの推進が言われ始めた感はありますが、国土交通省も担当部署によって、言うことが微妙に違います。私が驚いたのは、不動産業課では「中古住宅」と呼びますが、住宅課では「既存住宅」と空き家を表現します。そして内容も微妙に異なりますが、それが官僚の世界かも知れません。
時代の大きな波としては、官民連携PPP/PFIの推進の方向は間違いないようです。平成の大合併から10年、地方公共団体に新たな試練が訪れています。2020東京五輪のような国家的事業ですら、ない袖は触れないのです。一部勘違いをしている人らが大手を振っているのは、本当に心配です。