映画会社『大映』(1942~71年)が昭和時代に上映した作品のデジタルマスター版を一挙に公開する『大映4K映画祭』が、6月2日(金)から29日(木)まで高松市亀井町のホール・ソレイユで開かれる。市川雷蔵ら、往年のスターが出演する20作品を厳選して上映。味わい深い当時の邦画の魅力を、幅広い世代に味わって貰う企画だという。(25日四国新聞朝刊15面から)
大映は高松市出身の文豪菊池寛が初代社長を務め、溝口健二や市川崑ら日本を代表する監督の作品を送り出したほか、京マチ子、勝新太郎ら数多くの映画スターを輩出した。現在はKADOKAWAが大映作品を所有している。今回の映画祭はKADOKAWAが大映の創立80周年を記念して企画したモノで、四国の映画館ではソレイユだけが参加している。
昨今の映画と言えば『イオンシネマ』だけと言われるように、高松市内でも映画館は死滅した。唯一生き残っている感のする『ソレイユ』、同館は1948(昭和23)年頃の開館以来、約20年間にわたって大映作品を上映してきたと言う。詫間敬芳(ソレイユ代表取締役)社長(76)は、「当時は、映画が娯楽の中心。作品には戦後復興が進み、社会が良くなっていった時代の人々の情緒が滲んでいる。質の高い作品が揃っているので、若い世代にも楽しんで欲しい」と話している。
新聞を読んで嬉しくなり、20作品の上映計画が知りたくて同館に架電。ホームページにまだ掲載がないというので、FAXで資料を頂いた。1週間に5作品だから、その気になれば、20作品の全てを観ることも可能だ。話しはかわるが一昨日、取り寄せた『吉原炎上』のDVD(2千円)を自宅のテレビ画面で観た。『なんでも鑑定団』で、斎藤真一氏の『瞽女(ごぜ)』に高値がついて彼の作品が映画『吉原炎上』に挿入されていると聞いて、DVDを通販で買い観た。
私の場合、有名作品と言われたモノでも、タイトルだけで観た気になっていた作品が多い。今回の20作品も、私にとってはタイトル作品です。自宅でDVDと言う鑑賞方法もありますが、2度と観られないという覚悟でスクリーンにかじりつく。スクリーンには凹凸があって、光をコントロールして綺麗に見える。こんな時間も、冥土の土産となるかもしれない。
詫間敬芳(ソレイユ代表)さんに、久しぶりに電話してみました。「『終活』の一環としてやっています」と言われていました。良いモノは残したいし、次ぎに伝承したいものです。この企画が成功すれば、洋画も不朽の名作を引っ張って来て欲しいですね。過去の映画は金もかけていて、今撮るのは無理だと思う作品があります。