昨日ネタに困り、苦し紛れに『オープンハウス』を題材にして書きました。昔からのやり方で、今ではもう誰もやらないかもしれません。今日9時前から現場に赴き、思いついた準備を加えながら10時の開始時間を迎えました。事前に連絡を貰っていた見込客にスマートフォン(スマホ)を使って、開催案内を送っています。別に不動産情報サイトアットホームのキャッチコピーを『オープンハウス開催』に変更し、さらに周辺住民に紙資料をポストインしました。
私からすれば、『ITデジタル&アナログ』融合作戦ですが、お昼頃に、親子女子二人がお見えになりました。アットホームのサイトでこの物件を知り、掲載の翌日電話をくれたお客様です。残置物が多すぎて、内覧が遅くなり20日目の室内見学になりました。早く見せられたら良かったのですが、相続人在宅時作業になり調整に時間がかかりました。その間に何度か外から見ていたようで、庭の片付けが終わり様変わりに驚いていました。
結果、『買付証明書』を書いて帰りました。『買付証明書』は買う意思があることの証明で、法的には何の拘束もありません。本人が買う意思があっても、金融機関の融資が付かないことも結構あります。買客の優先順位を確定するだけのモノに過ぎないのですが、『全て書面で』という国土交通省の方針に沿った実務だと考えています。勿論、金銭の預かりはしません。
本来の媒介仲介業務であれば、『買付証明書』が入った順に優先順位を決めますが、今日に限れば時間内に応募された買希望客全員に1位のランクが付き、書かれた条件の精査にかかります。今の時代ですデジタルですね、かねてより売主関係者全員(嫁も含む)の『LINEグループ』を作っており、そこで売主の希望も聞きます。と言うのもこの物件は相続案件で、相続登記の相談も受けていました。
当初介護施設に入居している母親の資金に充てることから、『母名義』を男兄弟が主張していましたが、白井委秀司法書士が国税局に確認し、長男さんの名前で相続の『分割協議』が整い、母親(長男の嫁が施設で確認)も納得で、長男名義にしました。『分割協議』には、母親9割、長男次男5分5分として、9割を母親の銀行口座に入金し、これからの療養資金にします。白井司法書士の『グッドジョブ』ですね。
一方買希望者が殺到した訳は、この物件が『再築不可』であるため、市場価格の7割程度の価格査定をしました。その分安いのですが、高松市の証明によると、『建築基準法の道路に該当しないため、接道不可。建築基準法第43条第2項の適用について協議要』とあります。要するに10年後50年後あるいは100年後かもしれませんが、再建築の場合には、高松市の建築審査会に申請して、問題がなければ許可するという意味の記載です。
建物自体は32年前の『パナホーム(松下電器産業)』製で、流石にクロスに経年劣化や剥離が見られますが、40年の実務経験からも『コスパー最高(広告にはこの記載はしていません)』の物件です。確かに格安物件だと思いますが、『接道不可』は不動産鑑定士によっては5割ダウン、9割ダウンと評価するかもしれないし、われわれ宅建業者如きには、悩ましい案件です。
インスペクションと呼ばれる「建物目視検査」も(一社)ワールドインスペクションに依頼し売主の負担で終わり、問題箇所は口頭で説明し、書面も渡しました。『重要事項説明』も説明し、境界確認も大西一正土地家屋調査士により行います。高松市建築指導課への『道路』の問合せも、大西一正土地家屋調査士に依頼しました。近く契約することになりました。