2019(平成31)年12月に盛和塾は解散し、塾としての活動は休止しました。それでも経営はそれからも毎日続いています。存命中の稲盛和夫塾長も、各塾が独自に経営の勉強会を立上げ、切磋琢磨することは容認されていました。その稲盛和夫塾長が死去し、あれから早1年が経過しました。四国4県の旧盛和塾も、独自の学びを続けています。
今日は『2023四国合同例会』が、クレメントホテル高松で開催され、高知を除く3県から有志が集まっています。経営体験発表が3人からあり、その発表に対しての質問、感想などかなり突っ込んだ答弁が繰り広げられています。誰しも、自分の発表にいろいろ言われたくないのが本音です。しかし、全国大会の発表でも古くは稲盛和夫塾長が一人一人にコメントされていました。
塾長自ら「後継者社長は、親兄弟の言うことは聞かないが、塾長の言うことはよく聞く」と言われて、かなり辛辣な言葉を返していました。これをきっかけにして、大きく成長したという事例は多く聞きます。しかし皮肉なことに、全国大会(後に世界大会へ)で発表してそのまま沈んだという塾生もいました。どう考えるかで、人生が変わると思います。
3人目に『香川胆識の会』から、㈱喜多猿八喜多泰博社長(47)が経営を語ります。何度か聞いていて、先代社長(父親)や伯父のL喜多俊雄もよく存じ上げています。喜多泰博さんとも、もう10年位の盛和塾でのお付き合いです。機関誌マラソンも一緒に、3周目を走り出しました。家業として農薬の独占販売を手がけ、祖父の代から70年の社歴があります。もう40年以上前になりますが、母が菊の大輪を趣味で丹精していて、『スミチオン』農薬を買いに出向いていました。
現在喜多泰博社長は、『ドローン』を駆使して日本の農業のお役に立ちたいと汗をかいています。日本一作付面積の小さな香川県(県土が最少)の農地で、大規模農業に適すドローンを駆使し、農薬散布等に挑んでいます。『賽の河原の石積み』と本人が言うように、苦労されています。思いつきで思わず、アメリカへ行ったらどうかと言ってしまいました。
京セラ創業後数年で、稲盛和夫塾長はアメリカでのファインセラミックス販売に活路を求め、渡米します。先の東京五輪前のことです。ここが京セラ発展の転機になったことは、間違いないことであります。一層のこと、山口県岩国市の『獺祭』をニューヨークで醸造生産して販売する旭酒造㈱が今後はアメリカ産の酒米を現地栽培し、ニューヨークで販売すると言うのに協力したら、ドローン利活用のみならず、㈱喜多猿八の大躍進、さらに日本の農業の新天地が拓けるように思いました。