昨日からの、公益財団法人不働産流通近代化センター主催の公認不動産コンサルティングマスター不動産有効活用専門士セミナーに参加しています。昨日は終日座学でしたが、一転して本日は課題に対するディスカッションが中心で、18グループが8分の持ち時間内に、Aさんの土地の有効活用策を提案します。
昨日からのテーマは、CRE戦略です。CRE(Coporate Real Estate)の略ですが、企業の事業(経営)目標を達成するために不動産を最適化することと定義されています。難しそうに聞こえますが、ここで言う企業とは大中小あって、昨日からの課題のAさんは、造園と花屋を営む程度の経営規模です。
それでも自宅は別にあり、今の利用している土地の規模は782㎡(236坪)ですが、時価1.5億円ほどします。都心にほど近く、坪あたりの価格は65万円~80万円ほどの土地です。ここをどのように利用したら、最有効利用かという提案をするのです。
これに対して、FRE(Family Real Estate)もあります。同族会社の不動産を言うのだそうですが、明確な線引きはともかくとして、いろいろな角度から検証を加えることになっています。何もしないでこのまま数年という選択肢も、これも否定されるものではありません。
メイン講師は、ダンコンサルティング㈱代表取締役塩見哲氏です。私と同じぐらいの年輪を刻んでいますが、ここ公益財団法人不働産流通近代化センターでは、よく登場する講師です。本日もそうですが、課題を与えてそれに検討を加えた結果を発表させています。
18グループの発表を聞いていて、多かったのが定期借地権利用提案でした。時代が変わったと、つくづく感じました。私のような「定期借地借家権」推進派は当然ですが、そうでない不動産コンサルタントも、土地活用の最初に「定期借地権」の活用を考えるようになりました。
課題に登場するAさんは、先祖伝来の土地は売却したくない、借金は嫌いだと言っていますが、活用提案の中には、返す根拠がはっきりしている借金はそれもよし、売却も一部売却であればそれもありだとダンコンサルティング㈱代表取締役塩見哲氏は言います。
オーナー要因を最優先せよという塩見哲氏ですが、傾聴の中で「なぜ」と質問をしながら、真の要因をともにあぶりだす手法のようです。2日目の最終課題は、試験です。結果的に言えば、難問でした。論文形式であるのは良いとしても、座学に解を求めるのではなくて、全員が昼食時間を惜しんで取り組んだ提案に関するものであるべきではなかったか。
それともう一つ本日の成果は、隣に座った仲川真太郎さんです。CPM(米国不動産経営管理士)の資格を持ち、足立区谷中で㈲仲川不動産の専務をしているという好青年でした。早稲田大を卒業して、士業の勉強をしていたと言います。弟さんも同じ会社に在職しているそうですが、こちらは明治大卒です。
何とか30分の試験をクリアーし、市ヶ谷のホテルへ向かいました。グリーン建築水深協議会の交流会へ参加するものです。古民家を扱う全国の工務店さんが集まる会ですが、副理事長の川上幸生さんに誘われました。川上幸生さんは、四国中古住宅流通促進事業協議会(略称四国連携)の仲間であり、頼もしいスタッフです。
もう一つ出会いがありました。思わぬところで、良い出会いがあるものです。