「希望と不安の不確実性の時代」、~一人一人が自分の力の出し方を考える時に~と題した池田塾新春例会です。この数年の1月例会は、池田清一郎塾長の講話です。それまでは、四国電力の佐藤忠義相談役でした。池田清一郎氏は、元三菱信託銀行高松支店長。池袋支店長を経て、マルナカの副社長に就任され、その後は高松在住です。
池田清一郎氏は、高松をこよなく愛し、高松・香川の良いところを私たち在住民に教えてくれます。風水雪害のすくない高松、災害は「渇水と濃霧」などほんの少しだけです。高松の広報大使として、私は池田清一郎氏の発言を重要視しています。従ってこの1月例会は、欠かさず出席します。
昨年途中からでしたか、例会会場をリーガホテルゼスト高松から、高松市瓦町のフラッグ8階「市民センター」の会議室に移しています。弱冠参加者は少なくなったようですが、私はナイフとフォークの昼食でも、今日のように「サンドイッチと飲物」のどちらでも例会に参加します。
今日の話は、昨年1年の出来事から今年はどうなるかの見通しを塾長がまとめます。今年は、歴史的な大転換期になると池田清一郎塾長は予想しています。明治維新から150年、開国・近代化・先進国と世界が驚嘆する成長。そして戦後73年、廃墟から世界第3位の経済大国に成長した去年までの日本。
今年平成30年、バブルからの第4次産業革命を迎える。人口減少の日本に対して、人口膨張と国境の壁が崩壊する世界各地。地球温暖化と環境汚染、そして限りある資源しか持たないこの地球なのに。宇宙と海底に活路を求めて、第4次産業革命で新時代に突入する。
またその新時代は、未知と不測と限りなき可能性の新時代で、当然われわれがこれまで経験したことがない現実が目の前に迫ってきている。やって来た少子高齢化時代への備えや、対応が不十分な日本社会が抱える問題も大きい。企業は売上げが減少し、働き方改革など政府の方針等により人件費他諸経費の高騰で、経営改革が求められる。
豊かさと便利さの時代で育つ、気になる人材の資質と生き方問題。上昇志向や未来志向と、実体験の不足のミスマッチ。生命の大切さ、異質への寛容さ、協調性とチャレンジ精神の不足などがあげられる。そして当然のこととして、AI、IoT、ロボット等第4次産業革命への対応で活路を、Vertical(垂直)とHorigontal(水平)の視点で俯瞰する見方と対応が求められる。
最近の人工知能(AI)に関するニュースを見ていると、人間の適応能力の高さに改めて感心する。早くも人間は、AIが人知を超越するという未知の事態に適応し始めている。現在は、第4次産業革命と言われる。過去の産業革命のたびに、機械が人間を超越するという主張はされてきたし、それは現実のものとなってきた。
だがそのたびに人間は、新たな技術や機械を使いこなすことで、更なる進化を遂げて快適な生活を手に入れてきた。第1次、第2次産業革命では肉体的な労働を機械に代替えさせ、第3次産業革命では頭脳、つまり情報処理を機械に代替えさせてきた。第4次産業革命を迎えている現在、人間は機械とどのような関係の進化を目指すべきなのだろうか。
その答えは、人間の心の豊かさと生きる喜びの実現に向けた進化だ。人間は機械に出来ることは機械に任せ、人の豊かさや生きる幸せを追求するために機械を活用するべきだ。機械が決して持つことが出来ない感情や創造性を人間がこれまで以上に発揮し、機械の進化をリードすれば、豊で幸福な生活の実現に向けた機械との関係を作り上げることが出来るだろう。
その結果、時間や精神的に人間の可能性がさらに引き出される善循環が生まれる。未来のより良い社会の実現に向けて、人間はもっとやれる。AI(人工知能)が、人間の仕事を取り上げるわけではない。人間に期待される役割が変わるだけだ。こんな日経新聞の記事に、池田清一郎氏の言わんとすることが含まれている。