今回の海外塾長例会の目的は、ニューヨーク塾が主催する市民フォーラムの応援です。もちろん稲盛和夫塾長の講演を、出来るだけ多くのニューョーカーに聞いて貰い、出来るだけ深く理解して貰いたいという想いで、計画実行されたものです。日本から120名以上のエントリーがありましたが、最終は80名ぐらいの日本塾生です。
私は入会してまだ一年半ですが、NY塾は開塾から3年になるそうです。本日は日本人の他に、現地の人にも聞いて貰いたいと考えて、翻訳機を200台導入して貸し出しています。参加総数は、900名の予定です。
後の二次会での話しですが、レンタル屋さんに聞くと通常1~2割は帰ってこないのだそうです。本日は無事に、全機回収になりました。1台はアンケートボックスに入っていたそうです。いかにもアメリカ人ですね。気持ちが大きいというか、大雑把というか、でも日本人メンバーは最後の1機まで探します。お金では済まないのですね。
今日の塾長へのお題は、「人は何のために生きるのか・The Meaning of Life」でした。運命という縦糸と因果の法則という横糸にあざなわれた人生は、暗く沈むこともありますが、明るく輝くこともまた度々あるのです。運命は変えることが出来ます。そして考え方の一つとして、少しでも良いことを思い、少しでも良いことを実行する。すると、心の魂が磨かれ、肉体が死んでも磨かれた魂は生き続け、また何百年か後に次の人の肉体を借りてこの世に生を受けるのです。そしてお役に立つのです。
人間は、自らの遺志で誕生することはありません。生かされ、託されてこの世に誕生するのです。宇宙の法則がそこにあるのです。
そして人間は、愛と誠(誠寛の一字の誠)と調和に満ちた人生をおくるのです。輪廻転生する持って生まれた魂を磨き、死んでいく時に生まれた時より少しだけ良くなろう、ましな人間になろうと願って生きるのです。
そのためには六波羅蜜の修行が大切です。以前小欄でも書きました、①布施(ふせ・ほどこし利他の精神を持つのです)②自戒(じかい・戒律を守るのです)③精進(しょうじん・一生懸命働くのです)④忍辱(にんにく・辱めに堪えることです)⑤禅定(ぜんじょう・毎日寝る前にでも数分間懺悔するのです)⑥智慧(ちえ・先の五つをやると、この境地になるのです)。
実はアメリカ人に、この六波羅蜜のくだりが1番うけたのだそうです。どのように訳したのかは分かりませんが、盛和塾ニューヨークのホームページには、日本語版と英語版の塾長スピーチ原稿がもう既にUPされているそうです。
私は根っからの泣き虫ですが、先の6人のアメリカ人に聞いて5人が感動して、内3人が泣いて、内1人がインタビューの時にも思い出して泣いたと言いますから、金融も不動産も、そして人間の心も結局国籍なんかないのですね。
今日の最後の笑い話と言ったら失礼になりますが、19時15分の開演のために、午前中から会場が古いセントラルパーク沿いの劇場だったもので、ニューヨーク塾生が総出でモップを持ち出し掃除をしていたそうです。定時に入った黒人掃除夫群がこれに慌てて、必死に楽しそうに一緒に掃除をしたというオチでした。
ところがこれでは終わらない役者「河崎克彦」さんのセリフ。「会場の責任者に言われました。何という軍団だ、是非雇いたい」。
異国の地でも、日本人は日本人としての誇りを、愛と誠と調和という塾長精神を踏襲して、明るく元気に生きています。妻よ無理を言ってすまなかったが、賢ちゃん結婚式には出られなくてすまなかったが、一生涯に一度、思い切り泣けたニューヨークでした。