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いろいろな方法で入居者に長く住んでもらうためのテナントリテンション2020年07月22日 | オーナー

テナントリテンション

テナント リテンション(Tennant Retention)』という言葉

テナント リテンション(Tennant Retention)という言葉をご存じでしょうか。日本語で言えば「入居者保持
賃貸住宅において、入居者に長期にわたって住み続けてもらうための努力や工夫をするという意味合いの不動産用語です。今回はその重要性についてお話ししたいと思います。

日本には、古くから敷金・礼金というシステムがあります。

敷金
部屋を退去するときの原状回復(生活でできてしまった傷などを直す)費用として、入居前にあらかじめ払う準備金のようなお金です。基本的には、原状回復にかかった費用が差し引かれたお金が戻ってきます。家賃1カ月分が目安。
礼金
文字通り、部屋を所有する大家さんに対して、お礼の意味として支払います。敷金と違って、退去時に返金されることはありません。最近では礼金なしの物件も増えています。家賃1カ月分が目安。

入居者が退去するときには、預かった敷金から原状回復の費用を差し引き、次の入居者からまた礼金が入るので、入居者の入れ替わりはデメリットではありませんでした。

ところが、今は違います。
通常使用での損傷や劣化の修繕費は家主持ちと定められているため、敷金からは差し引くことはできません。加えて、すぐに次の入居者が決まるわけではありませんから、少しでも入居しやすいようにと礼金を抑える傾向にあり、礼金ゼロという物件も多く見受けられるようになりました。以前のように、入居者が入れ替わったからといって、オーナー様に収入が入ることが難しくなってきました。

入居者が退去してしまうと、オーナーには大変な出費

現在では、通常使用による損傷や劣化分の修繕費用は貸し主側の負担になります。きれいな状態にしておかないと次の入居者が決まりませんから、業者によるクリーニングも必要です。あまりに古い設備の場合は交換することもあり、別途費用もかかります。

なかなか決まらないので仕方なく、家賃を下げたり、敷金・礼金を下げたり、フリーレントをつけたり、設備を増強したり、リノベーションをしたりして再募集をすることになります。

家賃収入は下がるし、工事代はかさむし、募集のための広告宣伝費がまたかかる。
原状回復工事もガイドラインがある為、何でもかんでも入居者負担というわけにもいきません。
もちろん、次の入居者が決まるまでの間は、家賃収入がありません。でもローンの支払いは変わりなく続きます。

このように、入居者が退去してしまうと、家賃収入が途切れるだけではなく、さまざまな出費が待ちかまえています。効率のよい安定した賃貸経営を続けるためには、入居者に長く住んでもらうことが必要なのです。そのためには、居心地のいい住まいを提供しなければなりません。

テナントリテンションの効果

1.空室期間がないので家賃のロスがない
  退去が出なければ空室期間はありません。空室がなければ、家賃収入が途絶えることもありません。
  家賃6万円の部屋が3ヶ月空室になたっとすると、18万円のロスが生じます。

2.家賃の減額がない
  原状回復を行ってもかつてと同じ家賃で貸し出せるとは限りません。
  相場はありますから、募集をする時期によって家賃の増減はあり得ます。
  仮に3,000円減額すれば年間36,000円の収入減です。

3.リフォーム費用がかからない
  退去のたびにかかるリフォーム費用がかかりません。

4.募集費用がいらない
  入居募集には仲介手数料など、お金がかかります。また入居者がいつ決まるのかと気を揉む必要も出てきてしまいます。


賃貸住宅をお持ちのオーナー様をはじめ、これから賃貸経営をお考えの地主様にも、ぜひテナントリテンションの重要性についてご理解いただけたらと思います。