2017,05,21, Sunday
最近アパート融資に対する警鐘を鳴らす記事が、多くみられるようになってきました。なぜアパート融資が拡大し、何が問題であるかここで整理しておきたいという業界メールを引用させていただきます。私も、警鐘を鳴らす一人だからです。
銀行などの金融機関不動産融資は、1990年前後のバブル期を超える金額になっています。2016年の金融機関の不動産向け新規融資は、前年比15.2%増の12兆2千億円となり、バブル期であった1989年の10兆4000億円を超えて過去最高の買い出し額になっています。 主因は、貸家経営に乗り出す個人への「アパートローン」の急増。超低金利で無担保・頭金無しなどの条件で、気軽に大金を借りて不動産に投資するサラリーマンや地主が増加しているのです。もう1つは、古典と言われる「相続対策」。 貸家の新設着工件数は、8年ぶりの高水準になっています。昨年の貸家の新設着工戸数は、41万8543件と8年ぶりの高水準となっています。理由のひとつは、先にも書いた相続への悩み。2015年の税制改正で、相続税の課税対象が広がったことが挙げられます。 この課税強化と土地の価格の上昇により、相続税の課税対象になった被相続人の割合は2014年の4.4%から8.0%に上昇。そこで現金より不動産の方が、課税対象額が下がるという“節税ニーズの高まり”と世の中に出回るお金が増加するきっかけとなったマイナス金利をはじめとする“日銀の金融政策”が、不動産向け融資の拡大へと繋がっている。 建設費の貸出金利も1%くらいのため、富裕層のオーナーにとってはさほど懐が痛まない。融資する金融機関もアパート事業の成否でなく、オーナーの財産の評価で担保価値を判断できる。このように貸す側も、簡単に稟議書が書けるわけです。 では、アパート建築増加と融資急増の何が問題かなのかを、考えてみる。人口が集中している東京都をはじめとする大都市圏に留まらず、都市郊外や東北や山陰といった人口が減少し続けている地方部にもアパート融資が広がるなど、人口動態を無視した建築が進んでいることが第1の不安材料。 融資する金融機関も事業性融資が伸びない中、数少ない融資のひとつとして「アパートローン」を積極的に展開している。中長期の入居見込みを確認しないで融資しているケースも散見され、融資実態は不明だ。ある金融機関では、ハウスメーカー向けのアパートローンの貸し出しをやめたという話も漏れ聞きます。 さらに運転資金の名目で借りる事業性融資が、実はアパート建設向けだったりするなど金融機関によって定義はあいまいで、発表されている日銀統計はメガバンクや地銀が対象で、ノンバンクを含まないなど実情を反映していない可能性も指摘されている。 また、サブリース契約でトラブル多発している。オーナーと供給サイド(主にハウスメーカーやその子会社)がサブリース契約を結ぶと、一定期間の家賃収入を保証する仕組みを採用しているケースが多いが、その期間や家賃の減額についてトラブルになるケースが多い。 例えば10年間は家賃が変わらないという当初契約だったのに、6年後に10万円減額されたケースなど、業績悪化などの理由で家賃を減らしトラブルになるケースが増えている。もともと多くは建築費で、利益を確保している。 このような中で昨年国交省では、昨年秋にサブリース契約において「家賃保証契約に関する十分な説明」をするよう管理業者に求めるなど、理解が不足しがちなオーナーへのしっかりとした対応が望まれる。われわれ仲介業者も荷担していて、偉そうには言えないが、アパートよりは「戸建て賃貸物件」をやるならお勧めする。 |
2017,05,20, Saturday
高松琴平電気鉄道は通称「コトデン」、本日は17:57仏生山駅からの上りの最後尾に乗車しました。ぎりぎり走って乗り込みましたが、さらにその後ろから3人の高校生らしい男子が乗り込んできました。もう少しでドアが閉まるその瞬間、3人の内の一人が炭酸飲料の口を開けたのです。
彼ら3人も走っていたので、炭酸飲料も慌てています。開けた瞬間威勢良く泡が吹き上がりました。慌てた男子が「アワアワ」と奇声を上げながらそれを、プラットホームに投げたのです。幸い乗客は乗り込んだ後だったもので、直接の被害はなかったのですが、泡を吹き出しながらペットボトルはホームをさまよいます。 「オイオイ」このガキはと私は思いながら、この時間にしては混んでいた車内の最後部で立って注視していました。3人組は恥ずかしさもあってか、立ち位置を前へ移します。「シャツが濡れた」とぼやく男子に、婦人がポケットティシュをさりげなく渡します。「ありがとうございます」。ほぉー礼は言えるんだ。 ありがとうございますまでは良かったのですが、彼は自分の服を拭いたティシュを、床に捨てました。貰った恐らく真っさらのティシュですから、結構な枚数があったと思いますが、3回程度に分けて拭いて、それを捨てました。そして奇声を発しながら、また最後尾にやってきました。 これを見かねた車掌が、激しく注意をします。相前後して自分の捨てたティシュを拾いに行って、あることか今度は最後尾の入り口近くに再度捨てました。 これに勤務外のたまたま移動で乗車していたコトデンの車掌さんが、注意を始めました。勤務中の車掌は勤務に帰り、一部始終を見ていた勤務外の車掌が激しくいさめます。確かに注意した車掌さんも、若い。一触即発の空気が漂います。 ここから私の出番かなと思いきや、座っていた私より少し先輩が中に割って入り、若者にティシュを拾うようにさとし、事なきを得ました。なるほど言い方だなと、私は感心しました。山登りの格好をしていました。その後当事者たちは瓦町駅で下車しましたが、私はコトデンの変革が、ここまで浸透してきたかとある種畏敬の念を抱きました。 コトデンは、2001年12月に子会社のコトデンバス(現在のことでんバス)とともに、民事再生法適用を高松地裁に申請しました。結果、琴平電鉄時代からの経営者である大西一族は退陣、代わりに香川日産(真鍋康彦社長)グループや地元の大手食品メーカー「加ト吉」(現・テーブルマーク)などの支援を受け、経営再建することになった。 やがてコトデンは、徐々に変革を始めました。また、2005年2月2日には、非接触式ICカードシステムIruCa(イルカ)をことでんバスとともに導入しました。首都圏中心に全国展開が進んでいる、「スイカカード」と同種のものです。しかし、相互利用が出来ない独自のものです。 コトデンは100年を経過したクラシック電車などを保有し活用したり、ハード面での充実も複線化新駅設置などで次々打ち立てています。しかし一番の強みは「人」です。大勢の乗客に迷惑をかけているマナーの悪い客へ、しっかりと声がけが出来る社員さんが育っている、これからもコトデンは公共交通網として、発展することでしょう。拍手喝采。 |
2017,05,18, Thursday
森友学園の小学校新設計画より問題があると言われていた、岡山県にある学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡る一連の記録文書問題。獣医学部設置の場所は、四国の愛媛県今治市。工事は進んでいるようで、地元トミナガ不動産は喜んでいると思いますが、残念ながらこの先すんなり行くようにも思えない暗雲が立ちこめてきました。
この逆もあります。香川県坂出市、瀬戸大橋の四国側橋脚の町ですが、ここの番の州工業地帯の工場が閉鎖になり、不動産業界にも悪影響が出ているという。コスモ石油の精錬所が閉鎖になり、1000名の失業者が出たのです。続いて造船関係でも閉鎖が続くとか。企業城下町は、これが怖い。 さて森友学園は安倍昭恵総理夫人が、一時名誉園長に就任していたり、小学校の校名を「安倍晋三記念小学院」としていたりして、安倍晋三首相が新設の後押しを熱心にしているという印象を醸し出していた。それでも矢面は、安倍昭恵総理夫人であった。 しかし今回の加計学園問題は、獣医学部の新設計画に関し、文部科学省が内閣府から「総理のご意向だと聞いている」などと言われたとする文書が明らかになったことから、加計孝太郎理事長と安倍晋三首相が懇意にしていると同時に、妻の昭恵氏の関わりも再浮上している。 学園によると、昭恵氏は15年6月から、学園が神戸市で運営する認可外保育施設「御影インターナショナルこども園」の名誉園長を務めている。しかしどちらかというと、安倍晋三首相が加計学園では主役のように思える。長く獣医学部の新設を認めなかった文部科学省が、ここへ来て「国家戦略特区」を作ってまで新設を急いでいた。 森友学園の小学校新設計画でも、8億円の値引きをした土地は国土交通省と財務省が、認可には文科省と大阪府と、各省横断的な力が働いている。これは一省庁の大臣クラスでは出来ないことで、総理大臣という最高権力者の影に、公務員が忖度したのではないかと考えられる。この方程式は、一般庶民でもすらすら解ける程度の帰結だ。 過去の例えば、「リクルート事件」や「ロッキード事件」などと違い、安倍晋三首相からの直接の指示があったとも思えないのに、安倍晋三首相の考え通りにことが進んでいる。勿論背景には「アベトモ」と揶揄されている加計孝太郎理事長との関係が、取りざたされている。直接の指示ではないのに、それでもことが動く。新しい官僚制度が始まったか。 |
2017,05,17, Wednesday
2007年4月に発足した研究会の、第20回の通常総会が発足総会が行われた懐かしのロイヤルパークホテル高松で開催されました。今年の会長は、中原弘氏です。主にコンサルタントのあるべき姿を、この20年間模索してきたと思います。
「公認不動産コンサルティングマスター」資格は、通常の業界資格である「宅建士」の上の資格として、公益財団法人不働産流通近代化センター(現公益財団法人不働産流通推進センター)が作った資格です。宅建業法に基づく報酬規程では、もはや報酬の是非を言い尽くせなくなってきています。 そこで20数年前から、報酬のあり方についても議論をするコンサルタント業務に、関心が高まっています。県内には二つの「コンサルティング会」がありますが、創設者の石川芳洋氏は我こそが県下一の組織だと歴史を語っていました。私も設立当初からの会員です。 |